モバイルバッテリーの安全な選び方・使い方 - 消費生活アドバイス - 専門家プロファイル

消費者考動研究所 代表
東京都
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モバイルバッテリーの安全な選び方・使い方

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暮らしの中の事故から身を守る!

こんにちは。消費者考動研究所代表 消費者教育コンサルタント/消費生活アドバイザーの池見です。


スマートフォンやタブレットなど携帯端末内臓の蓄電池は、技術の進歩とユーザーのニーズに応える形で、数年前より容量の大きいものに進化しています。それに伴い、より大きな容量のモバイルバッテリーへの買い替える方も多く見受けられます。

充電容量が大きいということは、長時間稼働できて便利な反面、一度に充電する時間も長時間になります。充電時間が長いと、取り扱いの状況によっては高温・発熱による事故のリスクが高まります。
実際、そうした充電やモバイルバッテリーに関連したやけどや発火事故が、身近な場所で多く発生しているのをご存知でしょうか。
[参考サイト]
スマホ等及びその周辺機器の事故にご注意ください(NITE独立行政法人製品評価技術基盤機構)

そこで、できるだけ事故リスクを避ける商品選びや使い方についてご紹介します。


商品選びのポイント

1.商品選びの前にリコール品を確認する

意外と知られていませんが、モバイルバッテリーやその周辺の充電コード、ACアダプターなどは、比較的多くリコールが発生し製品回収が行われています。そのまま使用すると、発熱・発火・発煙や感電する危険が伴います。購入する前はもちろんのこと、今使っている機器がリコールされていないかどうか確認しましょう。リコール品が発生した場合、メーカーが販売店に連絡し店頭から撤去されますが、なかなか行きわたらないケースもあります。特にネットオークションなどで中古品を購入する場合は、必ず先に確認してから購入を検討しましょう。

リコール情報の確認先
製品安全ガイド(経済産業省) リコール情報 家庭用電気製品


2.商品選びで必ず見るべき表示はココ!

PSEマークの有無を確認する
PSEマークは、電気用品安全法で表示が義務付けられたマークで、法で定めた一定の基準や手続きに適合している証です。国産だけではなく輸入品も必須表示になっています。

Ah(アンペアアワー) 電池の放電容量を確認する
電気は、自然放電や通電中のロスで充電中や充電前後に減る場合があります。また、何度か充電を繰り返すうちに、バッテリーの蓄電量は逓減します。その為、充電先の端末の電池容量の1.5~2倍程度のゆとりある容量があるバッテリーを選ぶと安心です。
また、よく「充電1回分」といった表現がパッケージにされていますが、これは初期段階での計算値です。充電や使用状況によっては、1回分に満たない場合もありますので、ぜひAh値で選ぶようにしましょう。 

出力A(アンペア) 電気の流れる量をチェックする
わかりやすく単純に計算すれば、1.0Aと2.0Aの充電池を比較すると2.0Aの方が一度に倍の量の電流が流れるので、その分、早く充電ができることになります。ところが実際には、中間のコードやUSBコネクタの規格、受電する端末の仕様によってマイナスの影響を受ける場合もあります。そこで、モバイルバッテリーの出力アンペア数以上の充電コードを一緒に使うようにしましょう。

MCPCマークモバイルが付いている商品を選ぶ
モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が2016年8月より開始した、モバイル充電の安全認証制度です。メーカーは、同団体の所定の試験に合格した製品に、MCPCマークを表示することができます。MCPCマークは、モバイルバッテリー以外にも、バッテリー充電用ACアダプターなどにも対応しています。MCPCマーク付きの製品を選ぶことも、事故リスク回避には大切ですね。

モバイルコンピューティング推進コンソーシアム MCPCマーク


3.規格の合った充電コードを使う

充電用コードにも、電流(A)数値が表示されています。ぜひ、使うバッテリーの出力A数と同じかそれ以上の規格のものを選びましょう。 コードの電流の通り道を、細く狭い道にするのか高速道路にするのかというイメージですね。


熱・発火リスクを減らす使い方

USBコネクタはしっかりと接続しましょう

今お使いの充電コードのUSB端子は、スマートフォン・タブレットの差込口に差し込んでぐらついてはいませんか?この部分が不安定だったり接続不良のままだったりすると、状況によりショートして発熱・発火事故の原因になります。またこのコネクタの上に紙や布が被った状態にしておくのも危険です。

参考サイト
独立行政法人国民生活センター 「スマートフォンの充電端子の焼損や本体の発熱に注意」


ポケットや密閉した場所での長時間充電は危険!

スマートフォンは、年々小型・高性能化し、防水・防じん機能(=本体の密閉化)付きが一般化してきています。その分、駆動時や充電時に端末本体に発生する熱の逃げ道も無くなる傾向にあります。

スマートフォンを、体温が伝わる衣服のポケットや密閉されたカバン・ポーチの中に長時間入れておくと、その分余計に熱くなって故障の原因になりがちです。そればかりか、場合によっては発熱・発火したり、触れて低温やけどを起こしたりする事故が実際に多く発生していて危険です。特にモバイルバッテリーで充電する時は、そのリスクがより高まります。極力開放空間で使用・充電しましょう。
ただ、どうしても密閉したカバンに長時間入れて移動するような場合は、時々カバンから出して放熱するよう心がけましょう。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 消費生活アドバイザー)
消費者考動研究所 代表

消費生活の専門家が消費者教育・啓発や消費者志向経営をサポート

消費生活アドバイザーは、消費者・企業・行政の懸け橋として、法律、生活知識、消費者志向経営や環境問題まで幅広い専門知識を持つ消費生活の専門家です。企業・自治体等で培った豊富な実務経験とノウハウで、貴方の消費者力UPと企業活動をサポートします。

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