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山手線 「一番標高が『高い駅』、『低い駅』」

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普段、何気なく乗っている山手線。

車内を見渡してみると、一人で乗っている人もスマホなどを見ているか、目を閉じている人が多く、外の景色を見ている人はあまりいませんが、この山手線、平坦なところを走っているようで実は標高が高い駅と低い駅との高低差は約36.31m。 かなり、アップダウンしています。

 

 

平地から山手の台地へ登る場所

 

駅が位置する標高による高低差が特に激しい場所は、大きく2カ所あります。

一つは「目黒」―「五反田」間です。

海沿いから高輪台地と八ツ山、御殿山、島津山、池田山の下の低地を田町→品川→大崎→五反田と走ってくる山手線は、標高約3.4m五反田駅から、台地上にある標高約22.88mの目黒駅まで、その差約20mをたった一駅で登ります。

(この目黒川沿いの「大崎・五反田」から「目黒」にかけては重い電車(当時はまだ蒸気機関車の時代でしたので急勾配は避けなければなりませんでした。)が山手の台地に登るために鉄道技術者が最初に克服しなければならなかった難所と言われています。) 

 

2つ目は「駒込」―「田端」間です。

目黒駅から、山手の台地に登った山手線は、恵比寿駅→渋谷駅と走り、標高約30.56mの原宿駅に上り、さらに標高約35.47mの代々木駅、標高約37.5mの新宿駅へと、どんどん上がっていきます。

そして標高約32.34mの池袋駅から緩やかに下る台地の上を走り、ついには「武蔵野台地」の東の端に乗る駒込駅まで到達すると、「駒込→田端間」で再び下ることになります。

標高約20.4 mの駒込駅から標高約6.2mの田端駅まで、標高差約14.2mをやはり一駅で下ります。 

 

(撮影/ 後藤 一仁) 

 

線路の勾配が最も急な場所は

 

駒込駅はホームの西半分は標高の高いところにありますが、東半分は谷になっていて盛り土という作りです。

田端駅は、東側は海食崖(海沿いの土地が波で長期間浸食され形成された土地)で、縄文時代は海の波打ち際でした。田端から、西日暮里、日暮里とかつての海沿いの崖に沿って走ります。日暮里駅なども、かつて海だった低地側と台地側では高低差がかなりあることにビックリされる方も多いと思います。

地下鉄千代田線との接続のために今から42年前(1971年)に作られた山手線で最も新しい「西日暮里駅」は道灌山通りの上に位置しているために、田端駅から平坦な線路を走ってきて西日暮里駅へ上る少し手前で急に勾配がきつくなります。(この勾配は34パーミルと言われ山手線としては最急勾配です。ちなみに東京の普通の鉄道最急勾配は35パーミルと制限されていますので最高値ギリギリです。駒込と田端の間は25パーミルです。蒸気機関車の時代は10パーミルが最大値で、これ以上の急勾配は避けなければなりませんでした。)

そしてその西日暮里駅を出ると、再びもとの崖下へ下り、すぐに日暮里駅に着いてしまいます。

ご存じの方も多いと思いますが、この「西日暮里駅-日暮里駅間」が山手線のなかでは最も距離が短く、ホームの端と端までたった380メートルしかありません。

 

  

山手線で一番標高が「高い駅」、「低い駅」

 

ところで、山手線で、一番標高が高い駅はどの駅かご存じでしょうか?

もうおわかりですね。

そう、それは「新宿駅」で標高37.5mです。(駅ではなく線路の位置が一番高いのは、新宿・新大久保間で41m)

(山手線内の最高峰は新宿区戸山にある「箱根山」で標高44.6mです。)

 

そして、一番標高が低い駅は、品川駅で「標高約1.19m」です。

(品川駅も高輪口の山側と、港南口の海側ではかなり高さが違います。)

 

  

 

山手線は台地と低地を上り下りの勾配を繰り返しながら、一周約1時間でまわります。

山手線は環線のため、内回りか外回りを選択するだけで、自分が乗車するところから、一番遠い駅でも、約30分で着いてしまいます。(万が一、熟睡してしまってもまた同じ駅に戻ってきます。終電は注意が必要ですが...)

本当に便利のため、一度山手線の駅(山手線は不動産価格が高い駅だけではありません。)に住むと他の沿線に引っ越せなくなるという人が多いのもうなずけます。

 

皆さんも、もし今後山手線に乗る機会がありましたら、意識して、「五反田-目黒間の高低差」、「新宿・代々木駅の標高の高さ」、「駒込-田端間の高低差」、「田端-西日暮里間の急勾配」、「海沿いの駅の低さ」などを体感してみると面白いかもしれません。 

不動産コンサルタント 後藤 一仁

 

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