- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
アントルメ・エキゾチック entremets exotique
8月の製菓連続講座にて
8月21~24日
今月はアントルメ・エキゾチックを作りました。
マンゴ-、パッション、ココナッツを組み合わせ、重層的な味を楽しみます。
底はココナツのダコワーズ
夏の卵白はゆるいので、注意が必要です。
マンゴ-のクレームとフランボワーズを置き、
イタリアンメレンゲを加えたココナツとパッションのムースを詰めます。
ムースにはイタリアンメレンゲを加えます。メレンゲに投入するシロップのチェック。水に取り、くるんくるんと丸まれば120℃です。
ココナツのクランブル。ちょっとまだら焦げに。
マンゴー、パパイヤ、パッション、キウイ、ネクタリン、ブルーベリーなどでもりもりに飾りました。
ところでふとエキゾチックって・・・?と思いました。トロピカルなイメージでケーキを組み立てましたが、訳は「異国風」。でも、異国っていったいどこを指すのだろう?
頭の奥からは、子供時代の「飛んでイスタンブール♪」の歌が聞こえてきます。それって、トルコ。久保田早紀の「異邦人」の歌も浮かびます。こちらはシルクロードのよう・・。題名を間違えたかも。ではフランス人にとっての異国はどこなのでしょう? 今度、聞いてきます。
さて今月は飾りのジュレに、「ル・カンテン・ウルトラ」を使ってみます。寒天を特殊加工して、粉末状にしたものです。通常、寒天はぼこぼこに沸騰させた状態で何分か煮溶かす必要がありますが、これは分子を短く切ってあるそうで、80℃で溶けます。
夏に何より素晴らしいのは常温で固まり、常温放置しても溶けないこと。
マンゴーとフランボワーズの寒天ジュレ
食べてみると、通常の寒天のぼろっと崩れる感じとは違い、ぐにゅっと口の中で溶けるようです。ゼラチンともまた違います。
寒天というとまるで日本特有の素材のように思えますが、じつは英語にもフランス語にもagar-agar(アガ・ラガあるいはアガー・アガー)という言葉があるのです。
少し前から、フランスのお菓子のレシピにはときどき寒天を使うものが見受けられ、製品の材料の中にも表示を見かけます。植物製の凝固剤に「ヘルシー」のイメージがあるようです。
これは2010年10月、ボンマルシェにて。
フランスの寒天はどんな食感なのだろう、買ってみればよかった!
おまけはブラッドオレンジのソルベに炭酸水をかけた「オレンジエード・グラッセorangeade glace」 とても爽やか、8月にはぴったりです。
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