- 志田 茂
- 志田茂建築設計事務所 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
住宅の床に杉板を使い出した理由は、「単に合板フローリング嫌だったから」。
(⇒ 杉の床の暮し-1 )
どうしても杉板を使いたかったわけではありません。
でも杉板の事ばかり言ってて
「杉板じゃないとダメなの?」と思われるかもしれませんね。
杉板じゃなくてもいいんです。本当は、本物の木ならどれでもいい。
どれでもいいんだけど、日本の山の木だったらなおいいですね^^
**
杉板は確かにいいものなのでお勧めできます。
ただ、私が杉板の事を言う理由は、材料としての事だけではないんです。
[ どこにでもある里山のある美しい風景 ]
杉板を見て山を想像できたらいいなと思います。
杉と山で、・・・ 花粉でオレンジ色に染まる杉山を想像するのでは悲しすぎます。
そうではなくて、
故郷の山々とか・・・
どこかで見た美しい里山の風景とか・・・。
自分の足の下の一枚の板が、そうゆう山のどこかに立っていた木だった事に思いをはせて、
自分の足元から台地を通してずっと遠くの山とつながる意識を持てたら・・・
何十km・何百kmという距離を超えて点と点がつながります。
なんだか・・ちょっと・・雄大な気持ちになりませんか?
日本の林業が大変だという話は聞いた事ありますよね。
日本の多くの山は、勝手に木が生えてるわけではなくて、人が管理している人工林です。
林業が衰退している今、山や森の手入れができなくて山が荒れていきます。
山が荒れると最終的に海がダメになっていきます。
ちょっと気になったらぜひ調べてみてください。
私達が、国産の木をたくさん使うようになれば、林業が復活し、山が蘇ります。
杉板を床に使ってもわずかな量ですが、でもちょっとだけ、
『 林業と山に貢献したんだ 』 って思ってください。・・ちょっといい話でしょ!
[ sato*sato リビングの床の杉と壁に張った杉 ]
床に杉板を使った最初が 2002年 K-house。 30mmの厚板でした。
10年以上経っても、多少色が変わったくらいで何にも変わりません。
何も変わらない安心感があります・・・気持ち良さも。。
今時の家では・・
木って、ある日模様がはがれちゃう
木って、べたべたして気持ちよくない
それ本物じゃないからですね。でも本物がわからない。
子ども達が、そうゆうものが木と思ってしまうのかと考えると恐ろしいです。
大げさかもしれないですが、でも、ニワトリの絵が4本脚だったりするから、あり得るかもしれない。
だいたい今時の木造の家には木の柱がありません。いや あるんだけど見えない。
そもそも全部壁で、独立した柱がない。
木でできている家を、今の子ども達は理解できるのでしょうか??
本物に触れて、知って欲しい・・・本物というか当たり前のもの。
壁や天井は、法律で木を出せない場合があるけれど、床を木にする事は問題ありません。
床を杉板にして、本物の木に触れ、温かみや気持ち良さ、さらっとした感じを を五感で感じて欲しいのです。
物を落とせばへこむし、何かを引きずれば傷が付く事含めて、生身のモノがどうゆうものかを知って欲しい。
そうゆう本物がある事が、、触れる事が、、
子ども達の感性に何かしら良い影響があると信じています。
杉板を通して、山というもの・・( 家の材料はどこにあるか )
ひとが暮らすのにふさわしいモノとは・・
そんな事を伝えられたらいいなと思います。
もちろん他の木を使った時も・・・・
日常に感動を 暮しに輝きを 家族に笑顔を
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悩んで止まっていてもしょうがありません。話してみれば、次に展開するかもしれません。
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