それは「シェアハウス」とは言えないのでは。。 - 住宅・不動産の法律問題 - 専門家プロファイル

田井 能久
株式会社タイ・バリュエーション・サービシーズ 代表取締役
愛知県
不動産鑑定士

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対象:住宅・不動産トラブル

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それは「シェアハウス」とは言えないのでは。。

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近年、一つの家を複数の人で借りて、玄関や水回りなどは共用しつつも、それぞれの個室を確保するシェアハウスなるものがはやっています。
 
それが流行している理由としては、都心に立地する一軒家を複数のひとで家賃を負担するすることで割安に住めるという経済的メリットが大きいと思いますが、同じ家に住んでいることで知り合いが増えて孤独感が解消されたり、安心感があるという点を重視するひとも多いと思います。
 
私の記憶するところ、東京のどこかで古い長屋を有効活用するにあたって、マンション開発するには立地条件があわず、戸建分譲もありきたりなので、残っている長屋の家々をリノベーションしたら感性が似ている人たちが集まって住み始め、それがシェアハウスというビジネスモデルになっていったような覚えがあります。
 
このようにいったん成功事例が広まると、いつの間にか”儲かるビジネス”と勘違いし、いろんなことをしかけてくる方が世の中いらっしゃいます。
 
その究極版が添付資料のニュースの内容ですが、63㎡に12人分の部屋ってすごいですね-。しかし、もう”ハウス”とはいえず、単なる”ルーム”ですし、これを分譲マンションの一室でやろうというのも驚きです。
 
確かに賃料単価は上がり、利回りはいいかも知れませんが、各部屋は窓はなく居室なら建築基準法違反ですし、消防法上の違法性も高いです。
 
もともと海外ではよく聞いていた、ルームシェアと似たものを我々も受け入れることが出来るようになり、そのニーズに対して適正にサービスを提供できる業者さんも増えて来た矢先に、こういう違法性の高い業者が問題になると、シャアハウスビジネス自体がヘンな目で見られやしないかが心配になります。せっかく芽吹いてきたものを自らの手でつぶさないように遵法性には気をつけていただきたいものです。

2013.7.13 タイの目より http://www.valuation.co.jp/column/data/000187.php

 

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