二次的著作物 - 民事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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二次的著作物

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二次的著作物

 

 二次的著作物 とは、「著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物」をいう(著作権法2条1項11号)。

 

二次的著作物の著作権は、二次的著作物において新たに付与された創作物部分のみについて生じ、原著作物と共通し、その実質を同じくする部分には生じない( 最判 平成9717日民集第5162714頁)。 したがって、翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、翻案(著作権法2条1項11号参照)をしても、創作的表現でない限り、二次的著作物は成立しない。

 

 

 二次的著作物に対する著作権法による保護は、その原著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない(著作権法11条)。

(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)

 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、著作権法21条から27条に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する(著作権法28条)。したがって、例えば、二次的著作物を複製する場合には、二次的著作物の著作権者の許諾に加えて、原著作物の著作権者の許諾が必要となる。

 最判平成13年10月25日・裁判集民事 第203号285頁、判例時報1767号115頁(キャンディキャンディ事件)では、以下のとおり判示している。

1 甲が各回ごとの具体的なストーリーを創作し,これを小説形式の原稿にし,乙において,漫画化に当たって使用することができないと思われる部分を除き,その原稿に基づいて漫画を作成するという手順を繰り返すことにより制作された連載漫画は,同原稿を原著作物とする二次的著作物である。
2 二次的著作物である連載漫画の原著作物である原稿の著作者は,同連載漫画の著作者に対し,同連載漫画の主人公を描いた絵画を合意によることなく作成し,複製し,又は配布することの差止めを求めることができる。

 

 

(著作権の譲渡)

 著作権を譲渡する契約において、著作権法第27条又は第28条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する(著作権法61条2項)。

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