美術の著作物の著作権に特有の問題 - 民事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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美術の著作物の著作権に特有の問題

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第6、美術の著作物の著作権に特有の問題

1、複製権

 複製(著作権法2条1項15号)とは、印刷、写真、複写、録画その他の方法により有形的に再製することをいう。

 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する(著作権法21条)。

2、譲渡権

(譲渡権)

第26条の2  著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあっては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。

2  前項の規定は、著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。

一  前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物

二  第六十七条第一項若しくは第六十九条の規定による裁定又は万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律 第五条第一項 の規定による許可を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物

三  第六十七条の二第一項の規定の適用を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物

四  前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された著作物の原作品又は複製物

五  国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された著作物の原作品又は複製物

3、展示権

(展示権)

著作権法第25条  著作者は、その美術の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する。

 4、展示権の例外

4-1、屋外の場所

著作権法45条2項の「屋外の場所」とは、「街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所」である。

4-2、展示権の制限

(美術の著作物等の原作品の所有者による展示)

第45条  美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができる。

2  前項の規定は、美術の著作物の原作品を「街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所」に「恒常的に設置する場合」には、適用しない。すなわち、美術の著作物の原作品の所有者またはその同意を得ない場合であっても、この場合には、展示権による制限を受けない。

5、(公開の美術の著作物等の利用)

 美術の著作物でその原作品が「屋外の場所」(街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所)に恒常的に設置されているものは、いずれの方法によるかを問わず、自由に利用することができる(著作権法46条柱書)。

 ただし、以下の場合は、美術の著作物を利用することができない。

一  彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合(著作権法46条1項)。すなわち、彫刻を増製することは有形的に再製する「複製」に該当するから、複製権・譲渡権などの侵害となる。

三  屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合(著作権法46条3号)、すなわち、もともと「屋内の場所に設置されている場合」または「屋外の場所に恒常的に設置されていない場合」には、美術の著作物の原作品の所有者の承諾なくして、上記の複製はできない。

四  専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合(著作権法46条4号)  すなわち、美術の著作物について、承諾なくして、販売目的での複製、複製物の販売は禁止されている。複製権・譲渡権・頒布権などの侵害となる。

6、(美術の著作物等の展示に伴う複製)

著作権法第47条  美術の著作物の原作品により、展示権を害することなく、これらの著作物を公に展示する者は、観覧者のためにこれらの著作物の解説又は紹介をすることを目的とする小冊子にこれらの著作物を掲載することができる。

 すなわち、美術の著作物について、展示会などのパンフレットなどに解説・紹介するために掲載することができる。

7、(美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等)

著作権法第47条の2  美術の著作物の原作品又は複製物の所有者その他のこれらの譲渡又は貸与の権原を有する者が、譲渡権(第26条の2第1項)又は貸与権(第26条の3)に規定する権利を害することなく、その原作品又は複製物を譲渡し、又は貸与しようとする場合には、当該権原を有する者又はその委託を受けた者は、その申出の用に供するため、これらの著作物について、複製又は公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)(当該複製により作成される複製物を用いて行うこれらの著作物の複製又は当該公衆送信を受信して行うこれらの著作物の複製を防止し、又は抑止するための措置その他の著作権者の利益を不当に害しないための措置として政令で定める措置を講じて行うものに限る。)を行うことができる。

すなわち、美術の著作物の原作品・複製物の譲渡・貸与の申出に伴って、複製・公衆送信・送信可能化をすることができる。

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