M&Aと整理解雇 - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:事業再生と承継・M&A

渕本 吉貴
渕本 吉貴
(起業・資金調達・事業再生コンサルタント)
村田 英幸
(弁護士)

閲覧数順 2017年09月21日更新

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M&Aと整理解雇

 

M&Aの手法のうち、合併は複数の会社が1つになります。また、株式交換・株式移転は会社が親子会社の関係になるだけです。株式譲渡は支配株主(オーナー)が株式を譲渡するだけです。

また、事業譲渡についても、事業が譲渡されるだけで、労働者は承継されるとする見解も有力です。

つまり、上記の手法は、いずれも会社の支配権を握る株主が変わるだけで、それ自体、余剰となる従業員の整理をして解雇することをただちに正当化する理由にならないとする見解が主流であったようです。

なお、会社分割については、会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律があります。

 

たしかに景気の良い時代であれば、上記のような解釈論も当然であったでしょう。

しかし、現在のような長引く不況のもとでは、会社そのものが業績不振で、仮に整理解雇を実施したとしても退職金や早期退職の割増金すら払えないような会社もあります。

このような会社が身売りしたとして、支配株主が変更しただけであるから、従業員を整理解雇できないのが当然とまでは言えないでしょう。

すなわち、M&Aにより、他の会社の傘下に入った会社は、新しく支配株主となった親会社などから見れば、不採算部門であって、整理解雇の4要素のうち、整理解雇の必要性がある場合が多いのではないでしょうか。

また、M&Aにより重複が生じる部門があります。例えば、同じ製品を作っている場合、あるいは管理部門や本社機能(総務、人事、経理など)については、二重には必要ではないと考えられます。

したがって、例えば、被吸収合併された会社の従業員だからといって、当然に整理解雇が正当化されるわけではありませんが、配置転換などの整理解雇回避の手段などを尽くした上であれば、整理解雇として、解雇が有効とされる可能性が強まると思われます。

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