
- 志田 茂
- 志田茂建築設計事務所 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
不動産屋は・・・
「仲介の方に何回も電話したんですよ。でもいつも出ない。それで、これはだめなんだな〜と思い、オーナーとも話して決めたんです。」
Y氏の怒りはまた沸騰する。
「借りるのはうちなんです。連絡どうのこうのは、あなた達の問題で、うちには何も関係ない。うちは借りる意思を示しているのになんでですか。」
「連絡つかないのは不安なんですよ。1週間も連絡がない。こちらから電話してもつながらない。向こうからひと言あればよかったんですよね。わかると思いますが、そんな単純な事で信頼関係がなくなるんです。」
誰との信頼関係?オーナーと借り手の関係じゃないの?この人には誠意がない。心がない。入居に夢をふくらましていた我々家族の気持ちを考える事などできないのだ。
もう無駄な事を感じ、Y氏は電話を切った。
・・・・
妻が、子供がショックだった事は、いうまでもない。「なんで?」妻の問い掛けがY氏には辛かった。。
Y氏は、最初の不動産屋からの連絡後すぐに妻に連絡した。夜まで、妻も怒りと落胆を繰り返したようだ。
でも、妻が言った。「神様がよくないって言ってるんだよ!目の前に迫っていたのにケチがついたんだから、行ってはいけなかったんだよ。」Y氏は救われた。そう思う・・・いや、思うしかない。今は・・・
Y氏は、退出届の撤回を了解してもらい「住むところがなくなる」状況がなくなり、ひとまず安心した。
自分の支えとなる家族と幸せに暮らすため、また、住まい探しに心が向かった。
「しかし、誰のために・・・」
怒りが少し癒えたY氏の心に浮かんだ。。