財産分与・慰謝料請求権は詐害行為取消請求権の対象となるか - 離婚問題全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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財産分与・慰謝料請求権は詐害行為取消請求権の対象となるか

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債権回収

財産分与・慰謝料請求権は詐害行為取消請求権の対象となるか

 

最判昭和58年12月19日判決、最高裁判所民事判例集37巻10号1532頁

判示事項】

離婚に伴う財産分与と詐害行為

【判決要旨】

離婚に伴う財産分与は、民法768条3項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情がない限り、詐害行為とはならない。

【参照条文】

民法424

民法768

 

 

最判平成12年3月9日判決、最高裁判所民事判例集54巻3号1013頁

【判示事項】

一 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意が詐害行為に該当する場合の取消しの範囲

二 離婚に伴う慰謝料を支払う旨の合意と詐害行為取消権

【判決要旨】

一 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意は、民法768条3項の規定の趣旨に反してその額が不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情があるときは、不相当に過大な部分について、その限度において詐害行為として取り消されるべきである。

二 離婚に伴う慰謝料として配偶者の一方が負担すべき損害賠償債務の額を超えた金額を支払う旨の合意は、右損害賠償債務の額を超えた部分について、詐害行為取消権行使の対象となる。

【参照条文】

民法424

 

(詐害行為取消権)

第424条  債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。

 前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。

(詐害行為の取消しの効果)

第425条  前条の規定による取消しは、すべての債権者の利益のためにその効力を生ずる。

(詐害行為取消権の期間の制限)

第426条  第424条の規定による取消権は、債権者が取消しの原因を知った時から2年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から20年を経過したときも、同様とする。

 

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