- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:離婚問題
- 岡野あつこ
- (離婚アドバイザー)
離婚による慰謝料と財産分与
-
二 離婚慰謝料
離婚の場合における慰謝料請求権は、相手方の有責、不法な行為によって離婚するのがやむなきに至ったことについての損害の賠償として、甲に対し慰謝料を請求することができる(民法709条、710条)。
最判昭和31年2月21日判決、最高裁判所民事判例集10巻2号124頁、
【判示事項】
1、離婚と慰謝料請求権
2、離婚の場合における慰謝料請求権と財産分与請求権との関係
【判決要旨】
1、夫婦がその一方甲の有責不法な行為によって離婚のやむなきに至ったときは、その行為が必ずしも相手方乙の身体、自由、名誉等に対する重大な侵害行為にはあたらない場合でも、乙は、その離婚のやむなきに至ったことについての損害の賠償として、甲に対し慰謝料を請求することができる。
2、前項の場合において、乙が甲に対し財産分与請求権を有することは、慰謝料請求権の成立を妨げるものではなく、乙は、両請求権のいずれかを選択して行使することも許されるものと解すべきである(民法768条、771条)。
・慰謝料の消滅時効の起算点
最判昭和46年7月23日判決、最高裁判所民事判例集25巻5号805頁
離婚による慰藉料請求権の消滅時効は離婚が成立した時から起算する。
三 財産分与と慰謝料請求権との関係
最判昭和31年2月21日判決、最高裁判所民事判例集10巻2号124頁、
【判示事項】
1、離婚と慰謝料請求権
2、離婚の場合における慰謝料請求権と財産分与請求権との関係
【判決要旨】
1、夫婦がその一方甲の有責不法な行為によって離婚のやむなきに至ったときは、その行為が必ずしも相手方乙の身体、自由、名誉等に対する重大な侵害行為にはあたらない場合でも、乙は、その離婚のやむなきに至ったことについての損害の賠償として、甲に対し慰謝料を請求することができる。
2、前項の場合において、乙が甲に対し財産分与請求権を有することは、慰謝料請求権の成立を妨げるものではなく、乙は、両請求権のいずれかを選択して行使することも許されるものと解すべきである。(慰謝料のみを請求した事案)
【参照条文】
民法709
民法710
民法768
民法771
最判昭和46年7月23日判決、最高裁判所民事判例集25巻5号805頁
【判示事項】
離婚による慰藉料と財産分与との関係
【判決要旨】
すでに財産分与がなされた場合においても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解されないか、または、その額および方法において分与請求者の精神的苦痛を慰藉するに足りないと認められるものであるときは、右請求者は別個に、相手方の不法行為を理由として離婚による慰藉料を請求することを妨げられない。
【参照条文】
民法709
民法768
民法771
このコラムに類似したコラム
離婚慰謝料の相場、加筆 村田 英幸 - 弁護士(2013/03/24 12:46)
離婚慰謝料の消滅時効 村田 英幸 - 弁護士(2013/03/23 19:52)
「Q&A家事事件手続法と弁護士実務」、その1 村田 英幸 - 弁護士(2013/03/13 14:12)
有責配偶者からの離婚請求について、財産分与や慰謝料が高額であること 村田 英幸 - 弁護士(2013/03/05 20:00)
離婚にともなう財産分与に含まれるもの、その1 村田 英幸 - 弁護士(2013/03/05 19:51)