民法改正(財産法関係)その13 - 民事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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対象:民事家事・生活トラブル

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民法改正(財産法関係)その13

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○債権各論

 

○契約総則

○  危険負担と解除について

 

1 私見であるが、危険負担は、解除を要しない点で有用だから、廃止すべきではない。

2 事例1(非代替的特定物債務)

  民法534条1項の債権者主義の解釈として、支配可能性という制約を加え、登記、引渡しを基準にして、危険負担の移転時期を画している。

3 事例2(不特定物給付債務)

  種類債権の集中(民法401条)により、危険負担の債権者主義(民法534条1項)適用。

  持参債務が原則のせいか、種類債権の集中を認めた最判は見当たらないとのこと。

4 事例3(労働契約)

  最判昭和62年07月17日民集第41巻5号1350頁(ノースウェスト航空事件)は、「部分ストライキによってストライキ不参加労働者の労働義務の履行が不能となった場合は、使用者が不当労働行為の意思その他不当な目的をもつてことさらストライキを行わしめたなどの特別の事情がない限り、右ストライキは民法536条2項の「債権者ノ責ニ帰スヘキ事由」に当たらない。」よって、ストライキ不参加労働者は、賃金請求権を有しない。ただし、賃金請求権と休業手当請求権とは競合しあう(最判昭和37年720日民集16巻8号1656頁、同昭和37年720日民集16巻8号1684頁)、から、当該事案では、休業手当の支払いを命じた原審の判断を維持している。

 

 5 事例4(賃貸借)

  一部滅失の場合に民法611条1項で借賃減額請求権、同条2項で、残存部分では利用不能の場合に解除権

  一時的利用不能の場合に、民法536条1項類推適用により、家賃支払義務を免れることを認めた裁判例あり(大阪高判平成9年12月4日など)。

 

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