- 大長 伸吉
- ランガルハウス株式会社 代表取締役 アパート経営アドバイザー
- 東京都
- 不動産投資アドバイザー
アパート経営は、70歳80歳の大家さんでも行っています。だから簡単。とも言われることがあります。
確かにアパート経営歴30年という方ともお会いしたことがあり、ご高齢でしたが、まだまだ現役で元気に活躍をしている方でした。
「アパート経営が元気の源」とおっしゃっており、私も年をとったときにこんなコメントをしたいなと感じたものでした。
これも含めて、全体的にアパート経営は他の事業に比べて安定性がありますが、気を緩めてアパート経営をするのではなく、さらに工夫を凝らして他と差をつけたいものです。
本業が忙しい中で、アパート経営を並行して行っている方が多いので、難しくないこと、時間がかからないこととして、合ったらよいものが、「アパート日記」です。やることは「ご自身が所有しているアパートについて記録をつける。」これだけです。
でも、意外と日々記録をつけている人が少ないようです。
王道アパートを所有しているオーナーさんからは「物件を所有していることを忘れてしまう。それくらいやることがない。」とのコメントを聞くことが何度かあります。
私自身も数十室の部屋を管理していて、苦労が少ないものだなと感じます。
しかし全く何事もないわけではなく、入居者の退去がありその後に新しい入居者との出会いがあります。
家賃の入金は毎月のことですが、これも毎月の確認事項です。
(ネットで確認しているので、自宅でもでき、難しくはないのですが。)
また確定申告のときには、アパート日記が役に立ちます。
どの部屋の誰がいつ退去したのかという記録も税務署に提出しています。
これと家賃収入額が一致していないと、万が一のときに税務署から指摘を受けることになるでしょう。
そしてもし私自身に万が一のことがあったとしたら。突然、私の家族が複数のアパートを運営する事になった時に、何を感じるでしょうか?
「何をすればよいの?」と不安になることでしょう。
そんなとき、アパート日記が活躍をしてくれるに違いありません。
アパート日記が、次の世代に引き継ぐときのマニュアル・アパート管理の取扱説明書になったとしたら幸いです。
一般的な著書は参考となりますが、各自所有しているアパートは異なります。
立地も、入居者も、新築年月日も、設備など、それぞれが異なります。
その現物でのアパート日記が有効です。
そして、次の世代が心配であること「何をすれば良いのか?」についての答えは「いまのオーナーが何をしていたのか。」この行動記録そのものです。
それを見て、同じようなことをしてもらえれば滅多に大事故は起きないかと思います。
すると、そこには現在のオーナーが「だれ」と「いつ」「どのような会話・取り決めをしたのか」との記録があればよいし、さらにその行動意図なども記録できたとしたら、もっとよいかと思います。
私に万が一のことがあったときには、私が話をして伝えることが出来ませんから。「記録」が意味を持ちます。
最近の事例では、現オーナーのお子さんにアパートの管理方法を伝授しようとしたところ「そのお子さんが全く話を聞かなかった。」との事でした。
今はそうかもしれませんが、いざその時にはこの考え方が変わっているに違いありません。
その時には必要に迫られてこのアパート日記を見ることでしょう。
またこの記録がないと負担の少ないアパート管理を、過度に苦労の多い作業と勘違いして、良い物件を売り(安く)に出してしまうかもしれません。
それだけではなく、今すぐに役立つことは現オーナーが所有している物件の動向を深く良く認識できるというメリットがあります。
では、私が記録している項目は、
建物記録/入居者情報/オーナーの行動記録(何をしたのか?)/行動の意図/募集状況/契約内容・家賃等/近隣の様子/入居者からのコメント
それらにおいて、日時を記録していくと、1年間で何度何か起きたかを見直すことが出来ます。
また周辺・街の様子/東京の様子/景気/法律・規制/製品情報/競合情報など考えるといろいろ出てきますね。
でも、あまり時間をかけすぎないように。継続することが大事ですから。
それでは、今後も安定してアパート経営を継続してください。
このコラムに類似したコラム
差別化の為、御子息の為、自分の為の『アパート日記』 大長 伸吉 - 不動産投資アドバイザー(2013/02/01 19:43)
不動産経営では、落ち着いて考え、無理をしない。 大長 伸吉 - 不動産投資アドバイザー(2013/12/06 20:00)
新築アパート取得の為の自己資金がすぐに貯まらない(2) 大長 伸吉 - 不動産投資アドバイザー(2013/04/27 10:00)
先日、満室を達成したオーナーさんからメールをいただきました。 大長 伸吉 - 不動産投資アドバイザー(2012/07/12 22:00)
賃貸経営だからこそ、数値目標を建てましょう 大長 伸吉 - 不動産投資アドバイザー(2015/08/21 13:00)