
- 村上 春奈
- 村上建築設計室
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
左奥は玄関スペース、右側の建具からはダイニングへつながります。
コンクリートの床には琉球畳(沖縄では琉球畳とは呼ばないらしい)を置きました。
沖縄という土地柄、シロアリ対策は必須。あまり防虫処理はしたくないので、この家では「極力、シロアリが食べたいものを無くす」というコンセプトのもと、木など有機物でできた仕上げ材をなるべく使わずに仕上げることにしました。
イエノイエは、リビング以外も、水回りを除き床・壁・天井すべてコンクリート打ち放しです。
コンクリートの面が多いと硬い表情になりがちですが、ここは視線を外に向ければ自然のもので満ち溢れています。また、一部の壁に杉板型枠を用いてコンクリートに木の表情を映し出したり、置き畳や絵画、家具などで室内に柔らかい表情を付加しています。
床・壁・天井すべてコンクリート打ち放しというのは、断熱の意味で、1年を通じて温度変化のある本土などでは実現しにくいと思います。でも夏暑いが冬それほど寒くならない沖縄では、上空からの太陽熱をきちんと遮蔽すれば(イエノイエも屋根材の下にしっかり断熱しました)、壁と床の断熱はそれほど気にしなくていいので、通常より仕上げの工程がいらず、安く家をつくることができますね。
打ち放し仕上げには当然のことながらメリット・デメリットがあります。それらを十分理解しながら採用すれば、これも一つの方法ではないでしょうか。
村上建築設計室