相続時精算課税制度のメリット・デメリット
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- 公開日時
- 2006/02/23 00:04
1通常の贈与(暦年課税による贈与)
2相続時精算課税制度による贈与(以下、精算課税贈与といいます。)
2の精算課税贈与によると、2,500万円(一定の住宅取得等資金の贈与は3,500万円)まで無税で贈与できることから、利用者が増えてきているようです。
しかし、全てのケースで精算課税贈与の方が有利かというと、そうではありません。
この制度では、贈与時点では一定額まで無税となりますが、あくまで相続発生時点で精算(相続財産に加算)されることになります。つまり「税額自体を免除」されるのではなく、「相続時まで課税するのを猶予」されているに過ぎないのです。
このため、相続財産があまり多くなく、将来相続税の支払いが見込まれない場合には、生前に財産を贈与して有効活用できるメリットがあります。
では、将来相続税の支払いが見込まれる場合には何のメリットもないかといえば、そんなことはありません。この制度のもう1つの特徴は、相続時には贈与時の時価で評価されることです。
従って、建物のように減価することが確実な財産よりも、土地・自社株など将来値上がりしそうな財産を贈与し、相続時に実際に時価が上がっていれば、この制度のメリットを享受できます。
逆にデメリットを挙げると、一度この制度を選択すると、以後、相続発生時まで1の通常の贈与方式に変更できないということです。
通常の贈与であれば、毎年110万円までは無税で贈与できますが、110万円以下の贈与も全て申告しなければならないのです。
「1通常の贈与」か''「2精算課税贈与」''か、後戻りできないだけに良く検討してから贈与を実行しましょう。
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