大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
英語でサイエンス[実験結果から仮説を作った子供たち]
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Scientific Methodを使い、Critical Thinking の基盤を日本の子供の脳に作って行くプロジェクト。 英語でサイエンス。
Working Memoryを科学的に調べていく過程を、子供たちはこの上なく楽しんだようです。 視覚による記憶が得意な人と、聴覚からの方が得意な人と、さて結果が出ました。
そして、自分たちがたどり着いた結果から、一体記憶はどうWorking Memory の中に保存されていくのかについて、新たな仮説もたくさん生まれました。
コンピューターに選ばせたランダムな7桁の数字を道具に、視覚記憶と聴覚記憶の成績を比べました。 一生懸命覚えた7桁の数字を保存しようとするWorking Memory の邪魔をするために、折角覚えた直後に英語のアルファベットをゆっくり大きな声で発音します。 アルファベットに集中しているうちに Working Memory から記憶が薄れて行きます。
「えっ?! 忘れたぁ~~。」と騒ぎながらの実験。 うるさいのなんのって。
子供たちの顔が生き生きしています。
Raw data が出来ました。 それぞれの視覚・聴覚メモリーの得点(7点満点中)をノートの表に書きました。
今度はそれを Frequency Table にまとめます。
左側には Value (0点から7点まで)、右側にはその得点を取った人数を書いて行きました。
(image 参照)
それをグラフにすると傾向がよく見えて来ました。 (image 参照)
「グラフから何かわかってきた?」と子供たちに聞きました。
最初は、笑うほど日本的な答え、「Visual の方が得意な人が多い。」
「いやいやそれだけじゃなくて、Visual, Auditory の正解数のパターンが違うよ。 なんでだろう?」
子供たち一生懸命グラフを眺めてます。
「正解数が2と4のところにピークがある!!」
「ということは・・・」
「あっ!」
色んな仮説が出来ました。 そして、今度はその仮説を証明する実験を自分たちで考え始めました。
仮説1:聴覚memoryは苦手だと最初からあきらめたので、最初の2ケタか4ケタだけ覚えた人が多い。
次の実験:桁数を少なくした実験をする。 正解率が上がると思う。
仮説2:視覚Memoryのときは、自分で読んでそれを自分で発音したりして覚えたのでよく脳に記憶が残った。 でも、聴覚Memoryのときは、実験者が読むのを聞いただけなので記憶に残りにくかった。
次の実験: 聴覚memory のときも、自分で繰り返して発音させる。 そうしたら正解率が上がるかも。
仮説3:聴覚Memory のピーク2は最初の2つの数字だけ覚えていたから。 4桁のピークは、最初の2つと最後の4つしか脳に残ってなかったから。 真中は忘れやすい。
次の実験:まったく同じ実験をやって、どこの数字を間違えたかを全部記録する。 そうしたらはっきりと、真ん中の記憶がぬけるというパターンを証明出来る!
やりますね、子供たち。
脳が大いに喜んだ夏のプロジェクト。 まだまだ続きます。
Critical thinkingを使い、Scientific Method で行った実験の分析を英語で書けるようになるまで。
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