大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
英語の勉強を始める前に必要なこと
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小学3年生の元気な声が聞こえる木曜日。 直接指導する生徒たちがIntroductory Class にやって来ます。
これより小さい子供は教えていません。 その理由はコラム「うちの子バイリンガルにしたいんですけど」や、Q&A「幼児英語教育は早く始める方がいいのですか」で説明していますので読んでみて下さい。
音の基本から、数の概念を英語で理解したり、英語文法の大切な根幹をうま~くのせて反復練習、カナダの特別な小学生用writing でCause & Effect (原因と結果の関係―Critical Thinking の基本)をうんうん練習したりします。
勉強中のコミュニケーションの大部分は英語です。 カナダ人相棒に説明を聞くときも英語。 子供たちの脳は驚く速さで新しい英語というネットワークを作って行きます。
ただし。
こんな英語の勉強に入る前に、新しく始める子供たちに必ず通り抜けてもらう関門があります。
自分で考えたことを自分のことばで表現出来る能力。 これが英語の勉強の第一歩としてとてつもなく大切だと理解することです。
子供たちが描いた絵で構成されているアルファベットチャート。 音声の練習に使います。 また、単数に使う “a” “an” や、複数の練習用にもなります。
そのチャートを見て、例えば “a”のついている絵の似ている点を自分で探して、それを説明するという能力を見ます。
なぜ “a” がつくかという退屈な文法の説明などではなく、子供たちが絵を見て自分で創造する類似点です。 正解はありません。 何でも、自分の言葉で表現出来ればほめちぎります。
しかし、これが恐ろしく苦手な子供がいます。特に、日本の学校で「いい子」と評価されている子供。 親自慢の「いい子」にこの傾向が強いです。
なぜでしょう。
言われたことだけを、すばやく、間違わずにコピーする。 こんな受け身一辺倒の能力さえあれば、日本の学校ではいい成績が取れるからでしょうか。 それに慣れ切っている脳には「自分で考えて、自分のことばで?」なんて教科書を盗み見ることも出来ないことに、ショックを受けているのかも知れません。
親が全部子供のいいたいことを代弁し、子供の要求を先取りして満たす傾向が日本の親にはあるそうです。 Developmental Psychology でかなり有名な話です。 子供が自分の考えをきちんと母国語で表現する機会が少ないのかも知れません。
速い子は、問題を投げかけてから10秒たたないうちにしゃべり始めます。 面白い発想なので、「じゃ、この絵はどう? ちょっと違うね。」と更なる質問をすると、「・・・・ん」と席に戻って、お尻が椅子に着く前に「あっ!」とまた今度は5秒でやってきます。 面白くて楽しいです。
そんな子供は、概して、学校では結構落ち着きがなく、先生の言うことを素直に聞く子供ではないようです。 家でも「も~~~!」とお母さんが困ることもあるようです。
しかし、そんな子供は創造力と想像力の塊です。 35年の教育経験から、そんな子供たちは世界に通用する英語の考え方を身につける最短コースにいることは間違いないと断言出来ます。
「考えろって言われても・・・」と困る子供たち。 約2週間~3週間うんうんうなってます。 中にはお母さんの入れ智恵(苦笑)で、英語文法の説明を覚えて来る子もいます。 そんな時には、この活動の目的をお母さんに説明し、お母さんを味方につけて子供を励ますことになります。
この関門を無事に通り抜けた子供の笑顔は素敵ですよ。 顔つきが大きく変わります。
そして、ここから急に英語の音が大きな声で発声出来たり、文法が自然に使えるようになったり、Critical Thinking の論理の基礎が出来始めます。 脳が英語に変わって行きます。
自分で考えて、自分の声を使って、自分で表現しないと英語はわからない!と子供が理解出来たら、そこからスタートです。
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