大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「日本の赤ちゃんに英語の音楽を聞かせると?」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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日本の赤ちゃんに英語の音楽を聞かせると?

- good

2012-05-30 18:10

「うちの子バイリンガルにしたいんですけど」で、残酷にも、日本語環境で育つ子供への早期英語教育には科学的根拠はまったく存在しないことを書きました。 

「え~っ!」とがっかりした方へ、「英語独特のリズム感」だけはなんとか自然に理解出来る脳に出来るかも知れないという、ちょっと面白いニュースです。

現在研究中のEducational Psychology の分野でこんなリサーチ論文に出会いました。(Hannon & Trehub, 2005a; Kuhl, Tsao & Liu, 2003)

脳が言語のリズムを感知する能力は、まずその言語圏独特の音楽リズムに脳が反応することから始まります。 英語圏の赤ちゃんは西洋独特のリズム感を持つ音楽パターンをすばやく理解して行きます。 同じリズムビートが繰り返され、ビートにはアクセントがついているパターンです。 

生後6ヶ月の赤ちゃんの脳は、自分の言語圏の音楽パターンどころか、他の言語圏の音楽にも、よく反応します。 やはり生後6ヶ月までの人間の脳は大きな潜在能力を持っていますね。

ところが、生後1才になると、すでに脳は自分の母国語のリズムにしか反応出来なくなってしまいます。 異なったリズムパターンを持つ外国語の音楽を聞かせても、脳は静かなまま反応しません。 どんどん母国語の脳になってしまいます。

そこで、研究者たちはこんなことを試しました。

生後12ヶ月を過ぎてしまった英語圏の脳にも、様々な言語圏の音楽を聞かせる訓練を行いました。 集中的に、2ヶ月ほど、様々なリズムパターンの音楽を聞かせ続け、しかも、それらのリズムを持つ言語のNative Speakers とも接触させました。 英語だけでなく、様々な外国語でも言語活動を集中的に行ったのです。 
(CDとかの機械的な外国語の音ではなく、生身のSpeakers とのInteraction を集中的に行う訓練です。)

そうしたら、めでたし、めでたし。 12ヶ月を過ぎた脳でも、母国語の英語だけでなく、外国語の音やリズムパターンを認識する能力を脳が取り戻すことが出来たそうです。 

さぁ、どうでしょう。
日本語で育つ赤ちゃんにも応用出来るでしょうか?

日本人が英語を話すときに一番気になるのは、妙な日本語アクセントです。 単調でビートのない、日本語を話すときと同じ一本調子のリズムです。  英語のビートを自然に認識出来る能力があれば、そんな話し方にはならないはずですね。

ですから、もし、日本の赤ちゃんの脳が英語独特のリズムを認識する能力を保つことが出来たら、かなり大きな武器になるかも知れません。

集中的に、英語Native Speaker との訓練・・・は、なかなか難しい問題ですが、英語の音楽を聞かせることは試してみるのも面白いかも知れませんね。
(Mind you…… この研究は日本の子供を対象にしているわけではないので、効果のほどは科学的には証明されているわけではありません。 私自身がそのうち研究してみましょうか。)

「うちの子バイリンガルにする」のは非現実的ですが、「うちの子英語のビートが自然に理解出来るんです」には可能性がありそうです。

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カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」
Super World Club (大澤眞知子、Robert McMillan)

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