大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「「朝起きられない」10代の脳 ーCovid19の深刻な影響」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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「朝起きられない」10代の脳 ーCovid19の深刻な影響

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留学 大学・高校正規留学 2020-05-12 10:57

コロナパンデミックにより大きく変わってしまった世界。

いつまでも続くと思っていた、普通と思っていた日常が急になくなった。

 

そんな中で心理的な問題を抱え始める人達が増えています。

大人も子供ももちろんですが、脳の大事な最終発達段階に入っているTeenagersの行動が深刻です。

 

「学校もなく、友達もなく、これがいつ終わるかも全くわからず。 TeensはCovid-19に対処出来ずにいる。 ヘルプが必要。」

 

10代後半の脳は、貪欲に周りから吸収し同年代の仲間そして社会生活を広げ、発達の完成を目指して行きます。

生物学的にも非常に大切な時期に、突然周りとの接触がプツンと途切れてしまったことは非常な痛手です。

脳が悲鳴をあげているのが聞こえそうです。

 

10代後半は、人間の一生の中でも独特であり、非常に大切な時期でもあります。

独立して行動するの楽しみが出来、友達関係が濃くなり、恋をし、夢と希望いっぱいで大人に向かう魅惑の時期です。

 

それがある日突然、Covid-19という魔物が現れ、シャットダウンされてしまいました。

 

その結果?

カナダのCBCがこんなことを書いてます。 

「母の日のお祝いに10代の子供が出てこなかったって? そんな家庭が多いはず。 寝起きて来なかったんだよね。」

 

何のやる気も起きず、寝てばっかり。

夜中に起き出したり、そして朝は起きてこなかったり。

こんな声がカナダからも日本からも、心配な親から上がって来ているようです。

 

そう、寝てばっかりのTeenagers.

「なまけ者」と呼びますか?

Teens を責めますか?

 

実はこれには科学的な説明が存在します。

 

Teensの脳で何が起こっているかを知ることで、親は10代の子供を助けることが出来るかも知れません。

 

周りから遮断されたTeensはこんな毎日を送っているかも。

 

「なぜか悲しみと心配が湧いて来て、それから逃れることが出来ない。」

「学校からのオンライン課題も『完璧にやらないと!』という気持ちが先走り、時間ばかりが過ぎ、思うように進まない。」

「体調も悪く、腹痛、頭痛などが頻繁に起こる。」

「特にどこが悪いということはないが、体調不良、元気が出ない。」

「朝起きられない。」(親が起こしても起こしても起きられないという現象)

「一日中横になって過ごし、何をするにも体力がない。」

「夜寝付けない。」

「夜中に起きてしまう。」

「明け方に目が覚めてそこから眠りにつけない。」

 

思い当たりますか?

 

実は、これらはすべて教科書通りの Major Depressive Disorder (うつ病)の症状です。

あらら。

「うちの子がうつ病!?」

 

確率は低いですが、そうかも知れません。

が、恐らくはCovid-19で激変してしまった日常が、一時期な脳の対応不良を引き起こしている可能性が高いです。

 

思春期にある10代後半は、心理的面だけでなく生物学的にも非常に困難な時期です。

身体が急激に性的特徴を現すことで、脳には大きな負担がかかります。

 

社会から、また学業からのプレッシャーを大きく感じ、脳はそのプレッシャーに直撃されます。

自分が誰であるのか、何が出来るのかへの疑問も大きく感じます。

 

現代社会に存在する多くの誘惑に取り囲まれ、心配し、混乱し、そして落ち込みます。

(これらの現象は多くの科学的なリサーチで証明されています)

 

 

2つ目の可能性として、Major Depressive Disorder ほど深刻ではないですが、脳の非常に大切な部分が機能していない可能性もあります。

 

「朝起きて学校に行く」という規則正しい日常が消え去ったTeenagerの脳は、人間の日々のリズムを保つことが出来なくなっているのかも知れません。

 

私達人間は、地球の自転に沿って一日のリズムを保ちます。

それはCircadian Rhythmと呼ばれ、実は人間だけでなく地球上の動物、植物、昆虫も持っている脳の大切な機能です。

 

地球の自転により、周りの光、気圧、気温が変化します。

その変化に身体が対応出来るよう、常に見張ってくれているのが脳のCircadian Rhythmです。

眠りのサイクルはもちろん、ホルモンバランスなど、身体のあらゆる部分の機能を調整してくれます。

 

ところが、日常行動が変わってしまうと、Circadian Rhythmが狂ってしまいます。

脳や身体と同期していたものがバラバラになり、あらゆるところに影響が現れて来ます。

 

一番大きな影響は、Cortisolというホルモンが荒れ狂うようになってしまうことです。

Cortisolとは、ストレスが大きい時に登場するホルモンで普通は現れては消え、また現れては消えすることでバランスを保っているのですが、脳の中でそのレベルが高いままの状態が続いてしまいます。

 

そして、マイナスな影響が現れます。

 

・脳細胞が壊れる

・記憶力が欠落

・睡眠欠如(あるいは睡眠が短く途切れる)

・疲労感

・いらいら

・消化器官不全

 

学校にも行けず、友達にも会えず、家にこもっている10代を観察すると「あ」と思い当たりそうな行動だと感じます。

 

 

深刻な事態だと思います。

大きな未来のある10代の脳が壊れていく!

 

親だけでなく、周りの大人が手を差し伸べることが重要だと思います。

 

続編として、周りの大人に何が出来るかを解説してみますので、それまでに頑張って10代の子供を観察しておいて下さい。

  

Let’s Help Our Teens.

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