大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「「カナダ高校留学」の終焉がそこまで来ている予感がします」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
カナダにいらっしゃい!

大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
Super World Club 代表
サービス:1件
Q&A:116件
コラム:1,649件
写真:1件
お気軽にお問い合わせください
※ご質問・相談はもちろん、見積もりや具体的な仕事依頼まで、お気軽にお問い合わせください。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

「カナダ高校留学」の終焉がそこまで来ている予感がします

- good

留学 大学・高校正規留学 2019-01-30 08:39

カナダと中国との関係が最悪です。

それを受けてかなりパニックに陥っているのが「高校留学プログラム」をかかえる各School Boardです。

カナダ中のSchool Districtが生汗をかいている様子をお伝えします。


ファーウェイ事件をめぐり、カナダ国内で役員を逮捕、それへの報復で元外交官のカナダ人2名が中国で拘束。

ドラッグを不法に中国に持ち込もうとしたカナダ人が死刑を宣告され、カナダ・中国の関係が一触触発状態です。


中国がそのうち「今後は中国人のカナダへの留学は禁止する!」などと言いだしかねない危険領域に入った関係。

1人年間$14,000~15,000のあぶく銭をがっぱがっぱ儲けていたカナダの学区は大慌て。


もともと、カナダ公立高校への留学生の受入が許可された理由は、政府からの助成金だけでは学校運営が出来ないための窮余の策でした。

在学する1名の高校生対して、州政府は$7,500の助成金を学校に出します。

留学生の授業料$14,000~15,000はその倍の金額です。

留学生ビジネスがいかにボロいものかが明白です。


政府からの助成金が乏しい中、学校の教室の空いた席を、ボロ儲け授業料を払ってくれる留学生で埋め尽くす作戦が、まずBC州から開始されたのが1990年。

カナダ全土に広がったのが2010年に近づいてからです。

簡単なくせに多額の儲けにヨダレを垂らしつつ、我も我もと。

こんな所で留学生が生活出来ると思ってるんですか? と驚くような僻地も含めてです。


BC州のバンクーバー学区。

なんと1,800名の留学生がおり、大多数は中国から。

年間$15,000 の1,800人分の収入が一気に消滅したら?!

どの学区も今、こんな計算に脂汗をかいています。


行き過ぎた留学ビジネスを反省する学区も出始めました。

“I also questioned if we were exploiting foreign students for economic gain, and whether it was in their best interests to come to Canada, and be away from their families, at such a young age.”

「やはり疑問が残りますね。 経済のプラスのために高校留学生を食い物にしている今の『留学プログラム』には。 外国からの未成年高校生にとって、カナダに来ることが本当に一番良い選択肢なのか、まだ親の必要な年齢なのにたったひとりでカナダに来ることは本当に意義があることなのかどうか。」


「高校留学プログラム」担当者たちは、血眼になりエージェントを使い、未成年留学生獲得に必死です。

しかし、高い授業料を払わせ学校に放り込んだあとは、知らんぷり。

各授業の先生たちの肩に責任がかかってきます。

そんな教師からはこんなコメントが。

「留学生は本当に必要なサポートを得られていない。 学習面でも精神面でも。 それが学校現場に大きな負担を強いることになっている。」


カナダ現地の親からも大きな反発が出ています。

「カナダの高校生が最寄りの高校に入れない。 留学生が多すぎて、取りたいコースも満員。」

「留学生が単位を取りやすいようにと、レベルの低い授業が増えている。 地元の高校生の能力を伸ばすより、留学生をいかに呼び込むかに必死だ。」


こんなに地元からも反発があるのに、なぜ「高校留学生」の勧誘に必死なんですか?

授業料収入中毒になっているからです。

$$$“How big is the international student business? Very. Very. Big”

留学生ビジネスはどのくらい大きいんですか? とても、とても大きいです。


School Districtで働く人達は公務員です。

公務員たちが、民間エージェントとのビジネスに参入し、公務員の傲慢さ丸出しのビジネスモデルにしたのが「カナダ高校留学プログラム」です。

ビジネス素人達が先を読み間違えた結末が、現在の「カナダ高校留学の実態」に思えます。


「授業料収入」だけが独り歩きし、未成年の高校留学生を十把一絡げに扱う学区関係者たち。

カスタマーサービスなどという言葉は知らない「留学受入担当者」たち。

途上国が経済発展するのに伴い、ラブコールを送り、カナダに勧誘した結果、現在危険な飽和状態と成り果てた「カナダ高校留学の実態」

中国との関係悪化で、否応無しに表舞台に出てきた「カナダ高校留学プログラムの実態」は醜い姿をさらけ出しています。

 

カナダの学区が中国に怯えるのにはこんな先例があります。

BC州教師がストを行い、9月に学校が閉まったままの年がありました。

カナダの親は抗議しましたが、州政府は動く気配なし。


中国政府がキレました。

高い学費も航空運賃も払い、ホームステイ費も払っている中国人高校生が、その費用にも見合わず、学校にも行けず無駄な時間を過ごすことは我慢ならん!

今後カナダ留学は止めるような方針にするぞ!


BC州政府は震え上がり、ストに介入しました。

カナダ人がいくら文句を言っても動かなかったくせに。

中国はよ〜く知っているようです。

カナダの経済は、高校留学生の払う授業料に頼っていることを。


日本の親も、国としても、日本からの高校留学生がどう扱われているのかにもっと関心を持つべきだと強く思います。

大切な子供たちのために、もっと声を出すべきですね。

「日本人はおとなしくて文句を言わないから騙しやすい」との通説を覆す迫力がほしいですね、送り出す親に。


ま、カナダと中国とが絶縁したら、カナダ中の学校に溢れかえっている中国人留学生がいなくなるので、それはそれで面白い結果となるでしょうね。

「カナダ高校留学」の終焉がそこまで来ている予感です。


カテゴリ 「留学」のコラム

私はProfessional Trouble Maker(2024/05/01 09:05)

カテゴリ このコラムに関連するサービス

メール相談 英語エッセイーカナダからオンライン指導無料体験

エッセイの本場カナダからのオンライン講座ー無料体験版

料金
無料

多くの日本人生徒をエッセイの達人に育てたカナダの専門家Robert McMillanが、オリジナルプログラムをオンライン化。 基本をひとつづつ理解している過程を無料体験出来ます。

英語エッセイーカナダからオンライン指導無料体験
プロフィール対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム写真