大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
カナダ高校留学中の方へのアドバイス - 「転校は問題解決方法ではないですよ」
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「カナダ高校留学の実態」eBook(無料ダウンロードキャンペーン中)に記録した現実に起っている「高校留学」を、日本の、特に親たちに知ってほしいと活動を続けています。
1994年に留学サポートに乗り出し、カナダを奔走し、2004年には「留学せん事」という本も出版し、現在はカナダ現地からSOS相談に応じる毎日です。
10代後半と言えども未成年。
日本にいれば親に守られ、毎日を気ままに過ごすことが当たり前の生活から、異文化・異言語の中で、180度異なる教育の方法、他人と暮らしその他人のルールに従う日々への大変化。
これが「高校留学」というものです。
そんな中で迷いに迷う日本人留学生たちの姿は、「もう我慢しないでいいから、日本の親元に帰りなさい。」と声をかけたくなるほど痛々しく感じます。
高校生活はもっと楽しい時代のはずですよね。
そんな留学生本人たち、親たちからのご相談をお聞きしています。
ご相談で群を抜いて多いのが「今の学校では先が見えないので転校を考えています。」というものです。
「カナダの教育制度をよく理解し、カナダ社会をもっと理解し、なぜ先が見えないのか、どうしたら先が見えるようになるのか」を考えるより、学校や環境を変えてみたらうまく行くだろうという幻想を持ってしまう方が多いです。
非常に心配な現象です。
詳しく話を伺うにつけ見えて来るのが、残念ながら責任の他者への転嫁傾向です。
おそらくカナダへ留学を決めたのも、「日本ではなく、カナダに」という理由ではなかったのかなと想像してしまいます。
日本の教育、受験制度、人間関係など、そこから抜け出て異なる環境のカナダに来れば、きっとうまくいくはずとの「夢物語」に、エージェントの嘘が拍車をかけた留学実行だったかも知れません。
もちろん、中にはエージェントに紹介されたスクールボード、学校自体に問題があるケースもあります。
ホームステイでの留学生の立場が権利も発言権もない方針を持つ、とんでもない団体やスクールボードも存在します。
何も知らず送られた町が治安の良くない場所であったり、田舎の保守的過ぎる環境である場合もあります。
そのような場合には、留学生本人の能力・適性などに合わせ、州の越えての移動のご相談にも応じて来ました。
が。
ほとんどのケースは、「とにかく場所を変えれば状況は改善するのではないか」との短絡的な解決法を探していることが多いです。
成績が取れない。 卒業がいつになるかわからない。 ホストファミリーとうまくいかない。
などの問題は、カナダのどこに移動しても、どんな学校に転校しても解決しません。
成績が取れないのは本人の能力、英語でのreading/writing 能力が足りないからです。
カナダ中どこの学校に行っても同じです。
卒業に必要な単位も、どの学校に転校しても同じです。
少なくはならないし、留学生に情状酌量の卒業資格などもありません。
むしろ、州をまたいだ転校により、卒業には余計時間がかかることもあり得ることなど、頭から飛んでしまっている方もいます。
ホストファミリーとうまくいかないに至っては、ホストだけの問題ではないことが現実です。
親でも親類でもない他人の家に、しかもその他人が作ったルールに従っての生活がうまく出来ない場合、どんなホストに移ったとしてもまた同じ状況が発生します。
ホストとは、お金を払って部屋を使わせてもらう人です。
そのお金に見合わない待遇を受けている場合は、話は別ですが、気が合わない、どこにも連れて行ってくれない、送迎えを嫌がる、洗濯・シャワーの回数・時間の制限などの不満に至っては「大人になりなさい!」と留学生に説教をしたい気分になります。
じゃ、寮のある学校に行けば解決するかも?
他人と暮らすルールに抵抗感のある留学生には、もっと難しい生活形態になります。
甘やかされ、親のお金で送られた道楽息子・娘たちとの相部屋をさて何ヶ月我慢出来るでしょうか。
また、寮のある学校での留学生活は、普通のカナダ社会とは切り離された生活を送ることになります。
それが元々の留学の目的でしたか?
そんな所に高いお金を出すのなら、日本で再スタートする方が余程本人のためになると思います。
カナダ高校留学中で、転校を考えているみなさん。
ぐっと踏みとどまり、いかに現状で前に進めるかをまず考えましょう。
まずは、自分が作った問題を解決することで、大人になっていけますよ。
Let me help you.
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