大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
カナダの高校の先生と日本の先生の違いを教えて下さい。
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留学を決める前には、目的地の教育制度をよく知ることはもちろん、教育環境を理解することも非常に大切ですね。
特に学校の先生たちの行動は、その国の文化・社会背景を明確に映し出していることが多いです。
カナダの先生の生態は?
【質問】
カナダの高校についての質問です。 カナダの先生と日本の先生の違いを教えて下さい。
カナダの先生は怒るのでしょうか?
また、どんな事で怒るのか教えて下さい。
【回答】
とてもいい質問ですね。
カナダの学校事情を知る上で、毎日顔を合わせる先生たちの行動は大切ですよね。
カナダで1994年以来日本人留学生のお世話をしています。
密着した個人サポートからは引退し、現在は学校の授業についていけるようアカデミックヘルプや、ご相談のみの支援をしております。
カナダの先生も、日本の先生と同じように、人間として違いはかなり存在します。
嫌な人間性を持った人もいれば、いい先生で出会った〜!と感激するような人がいるのも同じです。
日本の先生たちの行動と比べて大きく異なるところを挙げておきます。
1.カナダの教育制度は生徒のクリティカル・シンキング能力を上げるためのカリキュラムが組まれていますので、その基本である「なぜ?」を考え「先生に疑問を投げかける」生徒を奨励します。
授業中は生徒たちはどんどん発言しますし、先生に異論を唱える生徒もいますが、先生たちはそれを止めることはありません。
もちろん、授業に関係ないことや、単なる妨害のための発言は止められますし、度がすぎると教室から出されることもあります。
日本は未だに「丸暗記」主体の授業ですので、授業中は黙って先生の言うことを聞き、ノートをひたすら取るのが良い生徒とされますが、カナダでは積極的に発言する生徒を先生たちは高く評価します。
2.カナダの高校には日本のように馬鹿げた校則はありませんので、生徒個人の自由が認められている分野には口出ししません。
髪の毛の色、スカートの長さ、シャツの短さ、肌の露出度、靴の種類、メークアップ、イアリング、入れ墨、持ち物などなどは、個人の問題ですので、先生には関係ないことです。
以前に留学していた生徒が髪を緑に染めて登校した朝、いきなり校長先生に”Cool hair!”と声を書けられたと驚いていました。
3.宿題の提出などについては、カナダの高校の先生は罰で立たせたり怒鳴ったりすることはありません。
一度目は「やらないと成績下がって単位取れないよ」と警告してくれる先生もいますが、本来「宿題を出してそのコースの単位を取るか取らないか」は、あくまで生徒個人の意志の問題ですので、余り関与はしません。
その代り、遅れて出す宿題はかなりの点数が引かれますし、最終的な成績に大きく影響します。
所定の成績に達していなければ容赦なく落第点がつき、単位がもらえませんが、それもあくまでも個人の選択とみなされます。
日本のように、とりあえずみんな一緒に進級・卒業させる制度ではありませんので、やらないのは自分の自由。
ただし、卒業は出来ません。
4.カナダの先生達は、授業で眠る行動を重大視します。
一度目は「起きなさい」と声掛けをするかも知れません。
2度目は教室から出されます。
先生に対するリスペクト欠如とみなされます。
3度目は、校長室送りとなり、家庭に連絡が来ます。
それも日本の学校のように「遅刻させないように親が気をつけて下さい。」と責任を親に押し付けるのではなく、生徒の生活環境を心配して学校が親と話をすることになります。
日本からの留学生は、日本で大丈夫だったからとカナダの教室でも居眠りを平気でする場合がありますが、周りからの評価が恐ろしく下がってしまいますから気をつけて下さい。
5.遅刻も同様です。
校門のところに立って怒鳴ったりする先生は皆無ですが、やはり回数が多くなると、家庭環境調査が始まります。
6.カナダの先生が一番怒るのが、宿題の盗作です。
日本のように、みんな同じ答えを記入するような宿題やテストではありません。
たくさん読んで分析し、エッセイを書くカナダの高校です。
その内容を他から盗んでコピーしたり、ネットからそのまま写したりする行動は厳しく禁じられています。
大学でも社会でも同じく、Plagiarism(盗作)と呼ばれ、厳しい罰則対象となります。
高校で盗作がバレた場合、最初は警告と成績を下げられるなどの罰が来ます。
2度目は、成績ゼロで、最後通告が来る可能性があります。
その次は、その授業から追放されることになりますね。
大学で盗作を繰り返すと、すぐに退学になりますよ。
学生の宿題盗用については、かなり甘い日本からの学生が気をつけるべきことですね。
最初にも書きましたように、これはあくまでもカナダの教師についての一般論です。
残念ながら、最近は結構授業も下手で、やる気のなさそうな先生が増えているのが気がかりです。
将来への年金と、休みの多さが理由で「教師」になる人が多くなったからかも知れません。
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