大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「「知らなかった。。」ではすまないホームステイの裏の顔」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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「知らなかった。。」ではすまないホームステイの裏の顔

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留学 ホームステイ 2018-05-17 03:31

どんどん表面化するホームステイの裏側。

何も知らずに夢だけを描いてカナダに来た、日本人留学生の日常です。

「知らなかった」では余りにもかわいそうな現状が続きます。

 

【質問】

 

カナダでホームステイをして3ヶ月目です。

ホストファミリーはイタリア人で、正直とても居心地が悪いです。ご飯はいつも1人で食べてます。これまで一緒に食べた回数はたったの2回です。ホストファミリーは外食に行ったり庭でバーベキューをしたりしますが私はいつも別です。また、当初聞いていた情報とまるで違っていて、2人家族と書かれていましたが実際は旦那さんは別居中、代わりに30歳の子どもとそのガールフレンド、さらに別の留学生も一緒に暮らしていました。シャワーは5分以内と言われていて、これは別に我慢できるのですが、洗濯を全然してくれません。毎週金曜日に1週間分の洗濯物を出しておくシステムなのですが返ってくるのは次の木曜日とかです。そんなに沢山下着や服を持ってきてないのでとても困っています。
よく色々は友人などが来るのですが私は部屋にいろという空気を出してくるので基本近所の図書館にいるか部屋にいるかです。
もともと内気な性格もあり不満を言えません。もっと積極的に話しかけるべきなのはわかっていますが、話す機会もなく、ホストマザーはいつもワイヤレスのイヤホンごしに電話をしています。基本的なやりとりはLINEで、と言われています。全くホームステイの意味がない気がしてとても悲しくなります。ホームステイを変えたいですが、こんな理由は甘いですか?

 

【回答】

 

留学時のホームステイ事情の酷さ、ますます表面に出てきていますね。

30年近く、カナダで日本からの留学生のSOSに応じていますが、悪化の一途をたどっているのが留学の様子です。

 

ホストファミリー不足は長年問題となっており、エージェントは必死でホストを確保しようと四苦八苦。

経済的に苦しく、ホームステイ費を家計の足しにとの目論見を持つ人たちしかなり手がないのが、ホストファミリーの現状です。

そんな事情を知っているホスト側も、どんどん態度が大きくなり、特に英語が出来ず、文句の言えない日本人留学生への態度の悪さが目につきます。

 

留学前の日本人には、エージェントとしては口が割けてもそんなことはバラしません。

楽しいですよ〜、大丈夫ですよ〜と甘い話しで送り込むだけです。

相談者のような不満を訴えても、ホストの機嫌取りで必死のエージェントは、あなたの側には立ってくれません。

 

甘い話しに騙されて、何も知らずに来てしまった留学生にも大いなる問題はありますが、こちらカナダ側の「見て見ぬふり」には呆れています。

 

さて、あなたの場合:

 

あなたの年齢によって、このSOSへの対応は変わりますが、まずはカナダの常識に基いてアドバイス。

経済的な足しにとホストになる人たちを、観察して来た経験からの状況判断です。

 

1.ご飯が別というのは、普通はあり得ません。

もし、あなた自身に思い当たる行動が全くなく(不用意にわからないまま質問にYes, Noを言った可能性)、ホストが意図的にあなただけを除け者にしているのなら、大問題です。

 

2.家族構成が違っていることは、カナダではしょっちゅうあることです。

離婚したり、ガールフレンドが一緒に住んでいたり、突然ボーイフレンドが転がり込んで来たりとかは、よあることです。

他の留学生がいることも普通です。

そのホストはダブルでホームステイ費をもらえますので、当たり前のことです。

 

従って、文句を言える問題ではありません、残念ながら。

本来は、ホストファミリーになる条件として、その家に住んでいる18歳以上の人は全員、警察の無犯罪歴証明書提出が義務付けられていますが、ホスト不足の現状では、守られているかどうかも疑問です。

 

3.日本の留学生は、シャワーが長い、しかも水を出しっぱなし、というのが通説です。

カナダのホストは、それに拒否反応を示します。

特にお金に困ってホストになった人たちは、光熱費節約に必死ですから。

 

洗濯もしかり。

一緒に洗ってくれるだけでも有り難いことだと感じます。

遅いと思うなら、自分で洗いたいと申し出たらどうでしょう。

ただし、2週間に一度とかの制限をつけられると思います。

 

4.LINEでのコミュニケーションは、もし最初からホストにそう宣言されたのなら問題です。

この3ヶ月間のコミュニケーションから、もしかしてそうなった可能性はないですか?

うまく英語で答えられない。 質問が出来ない。

話しかけられてわからない時には、笑ってごまかすとか。

 

もし、そのような行動を取っていた場合は、ホスト側が嫌気がさして、一番簡単なコミュニケーション手段を選んだのかも知れないですよ。

_______________

以上のアドバイスは、あくまでも、経済的理由からホストファミリーになっているカナダの人たちの状況からです。

 

お金に不自由なく、時間にも余裕があり、教育レベルの高いカナダの人たちは、ホストファミリーになど興味はありません。

長年に渡り、質の伴わない、英語の出来ない、カナダの常識をわきまえない留学生をどんどん送り込んだエージェントの責任も大きいです。

「留学生」自体の評判は、悪いです。

(日本人は、年齢に関わりなく、「幼い」という困った悪評が立っています。)

というより、カナダ社会からは無視されている存在と言ってもいいくらいです。

 

ホストを変えるかどうかは、あなた次第ですが、次のホストがbetterである保証はないですね。

むしろ悪化するケースが多いです。

「ホストに文句のある留学生」という噂が回りますし、エージェントもそんなに質のいいホストは持っていないですから。

 

一番お勧めは、今までの不満を、礼儀正しい英語を使い、ホストに訴えることですね。

英語は非常に論理的、ストレートな言語です。

うまく使えば、相手も自分も傷つかず、問題打開も可能です。

自信がなければ、日本人エージェントで英語レベルの高い人に同席してもらうこと。

留学先に必ず必要なのが、日本とカナダの両文化を知り、両言語を話し、しかも日本から来たあなたの側に立ってくれる大人です。

 

Good Luck!

 

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