大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「Argument とは?-論理的な議論の方法」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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Argument とは?-論理的な議論の方法

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クリティカルシンキング 2014-01-27 13:32

Caroline Kennedy 大使のコメントをめぐって、日本政府がクリティカルシンキング欠如、論理的argument 能力の欠如をさらけ出しているようです。

余りのひどさにあきれて、高校生たちと授業で検証しました。

原文に興味のある方にはNew York Times の記事のリンクです


Caroline Kennedy コメント:

Ms. Kennedy objected to a form of fishing called “drive hunt” killing, in which dolphins are herded together by boats into an area they cannot escape, resulting in the capture of scores, if not hundreds, of dolphins.
Deeply concerned by inhumaneness of drive hunt dolphin killing, USG opposes drive hunt fisheries.

つまり:
“Drive hunt killing” と呼ばれるイルカ漁の方法が非人道的であるので反対。

更につまりMs. Kennedy のargument は:
Premise (条件・理由) “Drive hunt killing” は非人道的 (なぜ非人道的かも明確に示しています)
Conclusion (結論)   “Drive hunt killing” をやめるべき


Argument について下記のdefinition(定義)を参考にしてください。
*Argument とはCritical thinking に基づいた客観的、論理的理由を提示し、結論に至った過程を明確にすること。 その明確に論理的な結論により、説得力を持たせること。
単なる説明ではないこと。


日本政府がMs. Kennedy に反論するためには:
彼女のPremise に反対する根拠を示して、結論に至ることが必須です。

例えば:
Premise “Drive hunt killing” は非人道的な殺し方ではない。
(もちろん、科学的、論理的証拠が必要です)
Conclusion “Drive hunt killing” は続けてもよい

ところがところが:

Responding to the criticism, Japan’s chief cabinet secretary, Yoshihide Suga, defended the practice. “Dolphin fishing is a form of traditional fishing in our country,” he said, responding to a question about Ms. Kennedy’s criticism. “We will explain Japan’s position to the American side.”

まるでArgument になってませんね~。

日本政府のargument (恐らくargument のつもり):

Premise イルカ漁は日本の伝統文化です。
Conclusion 日本の立場をアメリカに説明します。


問題点:
1. 議論のMain Idea (本題)が変わっています。 Ms. Kennedy は “Drive hunt killing”をargue しており、Dolphin hunt 全体を指しているのではありません。
2. 結論の意味が不明です。 「説明する。」=「アメリカは理解するべき」でしょうか?  何を? “Drive hunt killing” を? うむ・・・。


こんな曖昧で感情的な反論をしていると、こんな怖いねじまがった解釈もされてしまいますよ。

Premise (非人道的であろうが)drive hunt killing は日本の伝統文化
Conclusion 伝統文化である殺し方はこれからも続けるので、アメリカ(世界?)は理解を示すべき

絶句です。
困るのは日本なのに。
世界で活躍している日本人がまた肩身の狭い思いをしますよ。


Critical Thinking を基とした論理的なルールを無視したargument、しかも政府が率先して知的レベルの低さを宣伝しているようでは、この国の教育など100年経っても変わらないよな~と絶望しますね。


レベルの低さの証明に、とどめを刺したかったと見えて、昨日首相までもがこんなコメントを出しました。 (日本経済新聞1月26日より)

「古くから続いている漁だ。 文化であり慣習として、生活のために捕っていることを理解していただきたい。」


Oh, man...

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カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
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