大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「留学という選択肢」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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留学という選択肢

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2013-03-21 20:34

「進路の選択肢として、留学を入れるべきかどうか」という質問をたくさんいただきます。

大きな勘違いが根底にあると思い、コラムで回答致します。

例えばこんな質問内容(プライバシーを守るため詳細は変えています。)

「カナダへ留学するか、国内で英語を専門に勉強するかで迷っています。 カナダは大学卒業後に3年の就労ビザが出て働けるのか魅力です。 日本でも十分英語は学べると思い、日本での進学にも傾いています。 どちらに進むべきか迷っています。」

1) 一番気になる大きな勘違いは、まず「日本の大学・専門学校で英語を習得」「カナダの大学に進学」という二つの枠がすでに目の前にあり、あとは自分が選ぶだけであるとの思い込みです。 

「カナダの大学に進学」という枠

誰でもその枠を選べばカナダの大学に正式に入学出来るわけではありません。

非常に難しいです。 

まず、英語の能力TOEFL(TOEICは通用しません)iBT85~90点が必要です。 日本全体の平均が69点というお粗末な中での85~90点です。 日本の高校や塾で普通に英語の勉強をしていただけでは不可能な点数です。

この点数がないと、大学には入学出来ません。 

日本人の中で「留学しました。」という方のほとんどは、その点数に満たない生徒用の英語準備コースESLにいたか、または、大学とは似ても似つかないいわゆる街の語学学校にいたケースです。

実際に正式なカナダの大学で勉強中の日本人の数は、かなり少ないのが現状です。卒業後の就労ビザは、正式なカナダの大学を卒業する、その少数の学生にしか発行されません。 語学のコースや、大学でもない街の語学学校に学費を払っても就労ビザはもらえません。

また、TOEFLの点数だけでなく、Critical Thinking を基にしたreading/writing の高い能力が必要です。 そうでないと授業についていけません。 これも一朝一夕につく能力ではないですね。 カナダの学生には、小学校~高校を通じて訓練される能力です。

このような留学(正式な大学に入学する本当の意味の留学)の基準を100%理解し、その準備が出来ているならば、「カナダ留学」という枠を目の前におくことは何ら問題ではないですね。

もし、そうでないならば現在の選択肢に入れるのは無謀だと思います。

今後7~8年かかってもカナダの大学を卒業する強い意志があれば別ですが。

2) 次なる勘違いは、ふたつの枠どちらに進んでも英語が出来るようになるという思い込みです。

「日本で英語を学ぶ」という枠

何が目的で英語を学ぼうとしているかをよく考えて下さい。

まず、自分を知ること。 

どんな能力があり、何に自信がありますか? どんなスキルを現在持っていますか? 

その現在のスキルをもっと高いレベルにし、自分の自信のある能力を高めることが進学して勉強するということですよね。 英語は、ただ単にその能力、スキルを表現する道具に過ぎません。

日本で英語を専攻しても、道具としての英語力も十分育たないどころか(前述のTOEFL69点が物語っていますね)、中身の能力もスキルも何もない単なる中途半端な「英語専攻したので、得意で~す。」レベルで終わってしまいます。

日本にたくさんいる中途半端な「英語がちょっと得意」な仲間入りをしても、仕事の場では使い物にはならないです。

何をしたいですか? 自分の専門スキルを身に付けることが先決だと思います。 日本語や英語はそのスキルを使うための道具です。

2) 大切な、一度しかない自分の人生の大きな準備となる進学。 勉強するのは自分であり、その自分を知ることから始めることがこの上なく大切だと思います。

選択肢ありき、ではなく、自分の能力に合わせて選択肢を作りだすこと。

これがアドバイスです。

Good Luck.

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