堀江 健一(恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー)- コラム「本能寺ホテル2 好きになってくれる人を好きになれたら良いのに」 - 専門家プロファイル

堀江 健一
何より優しく共感を持って、あなたの味方になります

堀江 健一

ホリエ ケンイチ
( 東京都 / 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー )
カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
Q&A回答への評価:
4.6/43件
お客様の声: 15件
サービス:8件
Q&A:118件
コラム:220件
写真:0件
お気軽にお問い合わせください
070-6640-7990
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

本能寺ホテル2 好きになってくれる人を好きになれたら良いのに

- good

恋愛心理 恋愛感情とは? 2017-05-05 17:32

前回は映画「本能寺ホテル」を題材に、

女性にとってのやりたいことを見つけ、自己実現する事と、

結婚をすることについて考えて見ました。


やりたいこと。


つまり自分の欲求を満たすことですが、なかなか目先のやりたいことはあっても、長期的に生き甲斐のようなものを見つけることは難しいものです。


普段から、今いる場面で、一体自分はどうしたいのか?と言う欲求を自覚する訓練が必要だったりもするでしょう。
無意識的に人に気を使って、合わせてばかりいると、他者優先で物事を考えるクセがついてしまい、いざ自分は何をどうしたいのかとなった時に、自分の欲求が何なのか、頭に浮かばなくなってしまう事があります。


デートする時なども、相手は「洋食が好きって言っていたから、夕食はイタリアンにしようかな」なんてと思ったりするものですが、

相手の方のほうが「前回は私の行きたいお店に付き合ってもらったから、今回はあなたの好きなお店にしよう!何が食べたい?」
なんて聞かれたときに、


「えっ?私が食べたいもの?・・・考えてなかった・・・何も浮かばない・・・私、何が食べたいんだろう・・・?」


なんてことありませんか?


独りで食べる時は、もちろん自分で食べたいものを選んで食べているのでしょうが、誰かと一緒だと、相手に任せ切りになってしまっていたりしませんか?


たまたまその時、考えていなかっただけなら良いのですが、普段から自分の欲求を放棄してしまうような傾向があると、流されて生きる事になり兼ねません。
自分が無いことになってしまいます。



臨床心理学では、人の欲求は成長するにつれ段々と変化していくと考えられています。


マズロー博士の「欲求階層説」が有名です。
簡単に説明すると


①「生理的欲求」 

まず幼い子供でも抱く欲求として「生理的欲求」があげられます。
食事とか睡眠とかの欲求です。


②「安全の欲求」 

生理的欲求が満たされると次に抱く欲求として「安全の欲求」が生じるようになります。安心して過ごす事が出来る環境を欲すること。


③「社会的欲求と愛・所属の欲求」

他者と交わり、自分の居場所を見つけること。 
 
④「評価欲求」 

他の人から価値ある人だと見なされること、他の人の中で価値ある人であること。


⑤「自己実現の欲求」 

道徳的であること、問題解決、先入観を持たないこと、事実を受け入れること。


⑥「自己超越の欲求」 

創造性、自発性、子供のような素朴さ、文化の超越、至高体験。

このように欲求が満たされていくに従って、より高度で高尚な欲求へと段階が進んでいくと考えられています。



綾瀬さんはあのまま結婚してしまっても幸せだったかも知れませんが、今、結婚に焦っている方は、結婚以外の「自分がやりたいこと」についてもじっくり考える時間を持ってみて欲しいと思います。


少なくとも「とにかく早く結婚しなくては!」と言う焦りは、中盤の「社会的欲求と愛・所属の欲求」の段階であり、まだまだ先があります。
結婚することだけしか選択肢が無いような焦りからは、少し違う視点で物を考える余裕ができるものではないかと思います。







好きな人と付き合うことが出来ていても、結婚となると決断するには時間を要する人もいるでしょう。


ましてや、婚活していて、好きになるかどうかさえわからないけど、知らない人と知り合って、付き合う人、結婚相手を見つけるとなると、より時間が必要にもなるでしょう。


気持ちがそれに付いて行けていないと、結婚する決断を付けるまでには至らないかも知れません。

婚活で知りあって、仮に相手に好意を抱いてもらっても、

だからその人と結婚しようと思えるほどの決断が出来るかというと、

必ずしもそう話は上手く進まないケースが多いのではないでしょうか?

自分も好きになれるかどうか?
その人と結婚したい・しても良い、と言う欲求が持てるかどうか?

ここでも自分の欲求を持てるかどうかが鍵のように思います。




関ジャニ∞さんの日曜の番組「関ジャム」2017.4.16放送分 

「作詞のプロがこれはやられたと唸った本当に素晴らしい歌詞特集!」で、作詞家のいしわたり淳治さんという方が、
「お部屋探しMAST」のCMソングで有名な奥華子さんの「恋」と言う作品の歌詞について説明してくれていました。


「好きになってくれる人だけを好きになれたら良いのに」


と言うフレーズなのですが、
「今まで、数々のアーティストが、こうした感情について色々工夫を凝らして歌詞にして来たけれども、奥さんがそのまんまの歌詞に歌い上げてくれて、やっと今まで名前のなかった感情に名前が付いたような、スッキリした感じになった。すごいと思いましたね」

と言うような事を言っていました。

この歌は簡単に言ってしまうと
私はあなたのことが好きだったけれど、あなたは他の女性を好きになってしまった。
それなのに私は今でもあなたが好き。

これ以上、私を好きになってくれなかったあなたを想って辛い思いをするなら、

私を好きになってくれる人だけを好きになれたら良いのに

と言う女性の切ない気持ちを歌った歌です。

詩ですから、色々な介錯があって良いと思いますが、普通は
自分を好きになってくれる人を、自分も好きになれたら、両思いになるから、幸せになれるだろう。
けれど恋心はなかなかそう上手くはいかないのよね。


と言う意味かと思います。



男性でもこのような気持ちを抱いた人はおられるでしょうが、特に女性は共感するのではないでしょうか。
男女とも、一部の人は自分を好きになってくれるのなら、ありがたいし、なんだか自分もその人を好きな気がしてくると言う人もおられるでしょう。


本当にそう思えれば、そんな人はとても幸せになれるタイプかも知れません。


ただ、あまりに自己評価が低く自尊心が欠如していて、

「こんな自分を好きになってくれる人なら誰でも良い」と思っていると、

その自己評価の低さを利用されて、人の愛情に漬け込む詐欺師のような人(結婚詐欺師とかヒモのような人。あるいはDVをするような人)に利用されてしまわないように気をつける必要があります。


女性の場合、特に女性の方から、好きになって、告白すると言う方は少ないようです。

日本的な文化と言うか風潮では、男性の方が告白する事が多いので、女性はどちらかと言うと受け身的な方が多いのではないでしょうか?

何しろ、相手が好きなってくれたら、自分から告白して、フラれて傷付く危険がありません。


相手の方が”好き”の度合いが高いのですから、優位でいられますよね。

なかなか恋愛期においてお互いの「好きの度合い」が同等と言うことはないようです。

惚れた弱みと言いますが、”好き”の度合いが低い方がイニシアチブを取る事になるようです。

好きになってもらいたい、嫌われたくないと思うと、どうしても弱気になり、相手に合わせよう、合わせようとしてしまう事になります。

ですから、相手のほうが自分を好きでいてくれるというのは、戦略的には非常にありがたいことです。


友達としか思っていなかった人から告白されて、異性としては見て無かったから、付き合うのは迷ったけれど、付き合ってみたら居心地が良いし、楽だし、緊張したりもしないし、付き合って 良かった、と言う話も耳にする事もあります。
 


自分に好意を抱いてくれる人がいれば、もう誰でも良いから付き合いたい

そんな風に思う人もいるかと思います。


私も、長年恋人にめぐり合わなかったときなど、「自分を好きになってくれる人なら、誰でも良いのに」と頭で思っていた時がありました。


「誰でも良い」と言うのは、限りなくストライクゾーンが広く、選り好み(よりごのみ)しない博愛主義的なわけですから、誰かとお付き合いできる可能性がとても高くなるように思えます。


しかし経験上、

なぜか「誰でも良い」と思っている心的状況では

誰からも選んでもらえなくて、恋愛関係にまで発展しないように思います。



誰かと付き合いたいから積極的に恋活したり、婚活して、色々な人と出会っても、誰と出会っても

「誰でも良いから付き合って!」みたいに思っていると、

誰と出会ってもピンと来なくて、

返って積極的に誘ってみたいと思う様な情熱が湧いてこなかったのです。


自分に「この人と付き合いたい!」と言う「この人!」と言う情熱が低いのですから、相手にもそれが伝わってしまうものではないかと思われます。


「誰かと付き合いたい」と言う欲求はあるのですが、

「あなたと付き合いたい」と言う、より具体的で強い欲求では無いのだと思います。


多くの男性も女性も、

相手に好きになってもらった上で交際相手として選ばれたい、と思うものではないでしょうか?

(相手が自分を好きじゃなくても、強引にでも付き合いたいと思う人もいるでしょうが、ヘタをするとストーカーみたいになってしまうかも知れません)


男性はナンバーワンになりたい

女性はオンリーワンになりたい

と、思う願望が強くあります。


「誰でも良い」

と言うのは


「誰でもダメ」

「あなたじゃなくても良い」

と同義語くらいに、主体的に「この人だ!」と選ぶことが出来ず、相手からも選んでもらいにくい状況を生み出してしまうものなのです。
 

続く




にほんブログ村


心理カウンセラー ブログランキングへ

プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム