藤森 哲也(不動産コンサルタント)- コラム「不動産売買 トラブル相談例⑤【つなぎ融資の利息とは】」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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不動産売買 トラブル相談例⑤【つなぎ融資の利息とは】

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物件購入の落とし穴 不動産購入トラブル 2013-12-15 17:57

 

先日、つなぎ融資の利息がいくらなのかといった相談がありました。

 

 

建物への融資実行の多くは、住宅の完成・引渡、登記完了などのタイミングです。

 

つなぎ融資とは、それまでの着工や上棟のタイミングに必要となってくる

 

中間金などにあてる目的が一般的です。

 

 

通常、つなぎ融資の金利は日割りでかかります。

 

元金×金利(年率)÷365日×借入期間」という式です。

 

例えば、2,000万円を2.5%で半年間借りたとすると、

 

「2,000万円×2.5%÷365日×180日=金246,575円」となります。

 

※実際のご返済額とは諸条件によって異ってくる場合があります。あくまで目安としてご利用ください。

 

 

ちなみに、元利均等方式(元金と利息を合計した毎月の返済額が同じ)で、

 

固定金利(借入期間中を通して利率の変動がない)、返済回数を6回(約半年)と

 

想定した場合(通常の住宅ローンの支払い方法)の試算ですと、

 

毎月の返済額が金3,357,681円、返済総額が金20,146,086円となり、

 

利息は金146,086円となります。

 

 

また、毎月の支払額が違う「元金均等返済方式」という返済方法もあります。

 

はじめの1回目が一番大きい金額となり、毎月少なくなっていきます。

 

はじめの方の返済額は、元利均等方式と比べて高いのですが、最後の方は

 

元利均等方式より安くなり、総額でみると元金均等返済方式の方が安くなります。

 

元金均等返済方式で試算しますと、返済総額が金20,145,833円となります。

 

利息は金145,833円となります。

 

 

この条件で比べると、半年間で10万円以上違う結果になってきます。

 

他にも申込み手数料(事務手数料)のような名目で、数万円かかります。

 

 

 

おそらく、つなぎ融資は利息が高いというイメージや話から、不安になっての質問だと

 

思います。

 

 

 

しかし、つなぎ融資には、他にも注意したいポイントがあります。

 

それは、つなぎ融資を利用している期間(建物完成や登記前、住宅ローン実行前)に、

 

万一のことが起きた際のリスクです。

 

 

 

建物への融資実行の多くは、住宅の完成・引渡、登記完了などのタイミングですが、

 

それまでの支払いにつなぎ融資を利用されるケースが一般的です。

 

 

一般的な住宅ローンでは団体信用生命保険に加入します。(フラットなどは任意)

 

 

団体信用生命保険とは、団体信用生命保険は返済途中で死亡、高度障害になった場合に、

 

本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高を支払うというものです。

 

 

 

しかし、一般なつなぎ融資では団信がなく、万一のとき、つなぎ融資で借りた借金が

 

そのまま残ってしまいます。

 

また、ローン条件には健康状態も重要になってきます。大きな病気が発覚したり、

 

万一の場合に、住宅ローンの実行がされず、つなぎ融資の借り入れだけが残り、

 

建物は手に入らないというリスクのある期間が生じます。

 

 

例えば、つなぎ融資利用期間だけでも、万一の時に借り入れが返済でき、家族にも家を

 

残せるぐらいの高い保険に加入しておくなど、何らかの備えを考えてみるのも賢明かと

 

思います。

 

 

また、資金計画の段階で、土地購入に自己資金を使い切らず、建物の着工時や中間金を

 

視野に入れた配分を意識すること。

 

そして、中間金などは工務店やハウスメーカーとの交渉次第で変わることもあります。

 

 

そういった相談と資金計画や配分を工夫することで、土地・建物のトータル必要額、

 

タイミング的に必要となる資金を、自己資金&一般的な住宅ローン内に納められる

 

資金計画ができると良いかと思います。

 

 

つなぎ資金は、資金計画上、どうしようもない時は非常に助かります。

 

しかし、そこに潜むリスクを認識して備えたり、交渉や工夫でリスクが

 

回避できるのであれば越したことはありません。

 

 

安心・安全な不動産購入には、物件の調査や、物件の抱える問題の把握、

 

その解消の為の契約条件の交渉や調整が必要なことを認識されている方は

 

多いと思います。

 

同様に、ローンの金利交渉による月々ならびに総支払額の軽減、

 

ライフプラン等で将来的に収支のバランスに問題(ローン破綻など)が

 

生じないかの検証など、資金計画と人生設計を照合した「買い方」にも

 

注意を払い、より安心・安全な不動産売買としていきましょう。

 

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