対象:人事労務・組織
社員の能力を定量的に把握するために、社員の知能指数を人事データとして活用することを考えています。コンセプトとしては学歴よりも知能指数の方が個人の能力を推し量るのにはフェアだろうというものです。そして日頃の取り組みによって経年的に変化するために、学歴のように固定的ではなく知能指数は流動的です。
かつて構想段階の時点で感情的な反対ですぐに企画倒れになった経緯があります。その時は「神の領域を侵すものだ」とでも言わんかのような拒絶反応でした。差別だとも言われました。頭のよい人を優遇することを差別といわれるのであれば、是非とも私は差別をしたいです。現実としては頭の悪い人を排除するという活用の方がケースとして多くなるでしょう。もちろん知能指数が万能ではないことは心得ています。
報道などで他社の事例を参考にすると、企業が業務命令として社員にTOEICを受けさせて、点数を人事データとして活用することはできます。それにならって、企業が業務命令として社員に知能試験を受けさせて、知能指数を人事データとして活用することはできますか?私は強権を振るえば可能だと認識しています。
ちなみに元々の発端は、派遣社員を法令どおりに事前面接をしなかったら知的障害者(少なくとも知能がとても低かった)が送り込まれてきた、という経験を元に予防策として私が起案したことです。このときは学歴差別がどうのこうの文句を言いそうな人ほど、知能指数の構想にヒステリックに反対していました。不思議ですね。この知能指数構想が実現できれば、建前ではなく本当に学歴差別のない学歴不問の人材の採用が技術的には可能になるのにも関わらずにです。
どうぞご教示お願い致します。
ケイト35さん ( 東京都 / 男性 / 30歳 )
回答:1件
本田 和盛
経営コンサルタント
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知能指数の人事活用
凄腕社労士 本田和盛です。
知能指数は年齢に応じた知的な発達段階を測定するものとして、活用されています。入社の際に使うことも可能ですが、それ以後の知的な発達を測定するのには不適でしょう。もっとも入社の際には、SPIなどの適性テストを使うのが一般的です。
また知能指数は、創造性や社会性などビジネスマンに不可欠のものを測定することはできないので、利用も限定的になります。
ご指摘にように学歴(どこの大学を出たかも含む)不問とすることも可能ですが、学歴では図れないビジネススキル(創造性、社会性、協調性など)を見るために面接をしているのですから、知能テストを採用しても面接等が重要になるのは変わりありません。
採用後に社員の能力を定量的に把握して、人事データーとして活用されたいようですが、その場合は知能テストよりも、ヒューマンアセスメントを実施して社員ごとの能力・適性を明らかにした方がいいと思います。優秀な人材を早期に選別して、若い段階で重要な仕事やポストに就けるとともに、特別な能力開発プログラムを付与します。社員の能力が違う以上、みんな同じように平等に扱うことはできません。
ヒューマンアセスメントとは、社員の方に、いろいろな演習(ケース)をやってもらって、専門のアセッサーが能力・適性を評価する研修です。能力開発のためにも使われますが、選抜を目的とする場合が多いです。私もアセッサーとして、大手企業の部長選抜、課長選抜、若年ハイパフォーマーの選抜に関わってきました。ヒューマンアセスメントは、納得がいく結果をもたらすことが多いので、人事活用を検討してもいいかと思います。
(現在のポイント:-pt)
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