対象:住宅設計・構造
現在都内に注文住宅新築中です。
(第1種中高/第3種高度地区/準防火地域/木造3階建)
そこで、階段を無垢材使用でオープン(ストリップ)階段に
したく設計を要望していましたが、工務店側の回答が曖昧で
ある為、下記問い合わせをさせていただきます。
・使用材(厚み)を60mm以上としなければいけないのか?
(準防火地域の為?)
・無垢材使用可能であるか?
(現在工務店側は集成材にて提示)
施主支給可能であるとの了承を得ていますので、構築事例や
良い製品のご提案がございましたらご教示いただきたく
思います。
以上、宜しくお願い申し上げます。
Lions&Ghostsさん ( 東京都 / 男性 / 39歳 )
回答:3件
スッキリと見せるなら・・・
準防火地域の木造3階建ては色々と規制があります。
書かれているように木造の階段で作ると、厚みに規制が出たりします。
そういった時にスッキリと見せるなら、写真のような鉄骨階段に木を付加するタイプ。
あくまでも構造は鉄骨で作ります。なぜなら鉄骨階段なら、準防火に対応出来るからです。踏面も鉄骨で作り、それに化粧で木の板を貼付けるイメージ。
木の厚みは15〜25mmくらいのお好きな厚みで作れると思いますよ。
これくらいなら無垢でも十分在庫はあるでしょう。
コスト的には実績として25万円〜30万円くらいです。
もちろん地域差はありますが。
良かったらこの写真と合わせて工務店に見せられるといいでしょう。
参考になれば幸いです。
八納啓造 拝
評価・お礼
Lions&Ghostsさん
早速のご回答ありがとうございました。
アドバイスいただいたとおり、アイアンと無垢の木の
デザインはすごく惹かれるものがあります。
回答専門家
- 八納 啓造
- (建築家)
- 株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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デザイン性とコストバランスを考えてみては
Lions&Ghostsさん、はじめまして。
design studio bAOBabの鈴木と申します。
準耐火構造の木造3階建てで主要構造部である階段をシースルーにするには60mm以上の厚さの木材が必要となります。
無垢材か集成材かということですが、無垢材でも可能ですが、階段のような部位にどういう樹種を採用するかによってコストが違ってくると思います。60ミリという厚みの材の無垢材は樹種によってかなり高価なものになると思います。
従って杉を採用するのと檜、ケヤキなどを採用するのでは違いますし、杉は柔らかい分、傷つきやすいので階段部分の採用には注意が必要でしょう。
一方、集成材の場合は、ベイマツやタモ材など堅い木が多く、階段の段板にも適していますし、集成するため厚板を作りやすいと思います。
他の方も答えられている様に鉄骨でつくることも可能だと思いますが、デザイン性(シースルーですっきりみせたいのかどうか)やコストを含め、厚い材を用いてでも無垢材にこだわる方が良いのかそれとも集成材でも大丈夫なのかなどもう一度、工務店の方と検討されてみてはいかがでしょうか。
参考までにシースルーの階段をベイマツ集成材で段板厚み60ミリで作った階段と杉の無垢材厚60ミリで作った階段の写真です。
少しでも御参考いただければ幸いです。
補足
書き込みありがとうございます。
集成材、無垢材それぞれに良さはあると思いますが、個人的には足触りが違ってくると思います。
無垢材の方が格段上だと思います。
写真の白い壁は中霧島壁という素材を採用しています。手摺は階段と同じ杉材(無垢材)で大工さんに作っていただきました。
階段だけでなく手摺も無垢材だと違いますよ。
素敵な階段実現目指してください。
評価・お礼
Lions&Ghostsさん
木材に関するアドバイス、とても参考になりました。
ご提示いただいた写真、どちらも木の重量感があって、
素敵です。私の場合、サンプルとしていただいた、桧の
集成財のつくりが良い感じではなく、最終的に無垢材を
選定しようと思っています。下段の写真にある、無垢材の
重量感と質感が白い壁(漆喰?)と調和していて、すばら
しいと思いました。(手摺も素敵です)
回答専門家
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安井 正
建築家
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準耐火建築物の階段
木造住宅は「3階建て」にすると、法規制がいろいろと厳しくなります。
木造3階建は建築基準法で定めるところの「準耐火建築物」として建てなければなりません。
準耐火建築物というのは、火災がおきたときに、45分間または60分間は建物が崩れ落ちないようにした建物のことをいいます。つまり「火事が起きたことに気づいてから、逃げ出すまでの時間を確保しなさいよ」という主旨です。
準耐火建築物にするために、階段も耐火性のあるものしなければなりません。
木でつくる場合、しかもストリップ階段のような段板だけでなく支える構造材(ささら桁、側桁といいます)も木でつくり、木をあらわしで見せるようなデザインにする場合は、60ミリ以上の厚みとする規定があります。
段板は木をみせるけれども、階段の裏面や側面を石膏ボードなどで囲えば、段板は35ミリ、桁は35ミリとすることができます。ただし、この場合はシースルーな感じの階段にはなりませんが。
写真上は構造材を囲ったタイプの階段。この写真の家は準耐火建築物ではないですが、イメージとして参考になると思います。
写真下は鉄骨を使ってシースルーにしたタイプの階段。
60ミリの木でつくるとこういう軽快な感じにはならないので、鉄でつくって踏み板の仕上げとして木を使うことが良いですね。
すでに工事中ですと、今からの変更は確認申請上、主要構造物の変更になるので、手続き上の手間も、それなりにかかると思います。変更届を出すか、軽微な変更で済むのか、設計者は確認検査機関と協議をする必要もでてくると思います。
補足
書き込みありがとうございます。
光の取り方には、いつもこだわっておりまして、
暮らしの中で、ときどきふっと「きれいな光だな」と気づく、
そんな家でありたいと思っています。
上の写真の壁仕上は桐板です。9ミリ厚の無垢の桐板を集成して、910*1820のサイズにした素材です。桐は湿度変化による伸縮が大きいので、貼り方によっては割れが発生します。自然素材は「生きている」のを実感できてよいのですが、その扱いにはやはり独自のノウハウが必要です。
評価・お礼
Lions&Ghostsさん
丁寧にご回答いただきありがとうございます。
ご指摘のとおり、建築申請は、3段廻り+鉄砲階段(オープン階段)にて承認されております。
ご提示いただいた上段の写真を参考とさせていただきます。
それにしても、光の取り方、床板の源平模様・・・とても
素敵ですね。壁の材は木でしょうか?天井の直線と一体化
していて、とてもすっきりと広く見えます。
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