2階にダイニングキッチンを入れても大丈夫？

敷地環境・生活スタイルによりけりですね。

例えば、日当たりや眺望が２階の方がいい場合、家族の中心の場を２階に持っていくことは自然な考え方です。

来客の多いご家族であれば、２階よりも１階の方が好ましいかも知れません。客人に１階のあまり見られたくない部分を見られてしまうこともあるからです。
ですが、玄関→階段→リビングをなるべく近い関係にしてやれば、これについては解決していきます。

また、３階建であれば、２階に生活の中心を持っていきたいところです。そうして奥様の家事動線もコンパクトにしたいですね。

２階リビングのときの明らかなデメリットとしては、１階の玄関の様子が判らないということが挙げられます。これについては是非、カメラ付きインターホンを付けたいところです。

このように、様々な条件を組み合わせていった中でリビングの位置が決まっていきます。
建築家に「１階案」「２階案」の両方を頼んでも良いかもしれません。
リビングの位置をどう考えるかというのは、住宅設計の一番大事なところ。建築家の腕のみせどころなのです。

新築と同時にリフォームの仕事もしていますと、
高齢になってくると、どんな問題が起こってくるかが、
はっきりしてきます。

歳を重ねると、
まず、足や腰が悪くなる、
動きがゆっくりになり、
物忘れも多くなります。

２階にリビングがあると、
宅急便やさん対応や、
忘れ物を取りに行くのにも上下運動、
災害時の避難、介護・・・。
いろんな不便が生じるので、
ほとんどの方が
狭くてもいいから
一階ですべてがまかなえるように、
とおっしゃるようになります。

もちろん日あたりなどから
２階や３階をお勧めすることが
ありますが、
エレベーターの設置で移動しやすくする、
１階に水周りの配管をしておいて、
将来ミニキッチンを作れるようにする、などの
配慮を必ずします。
階段に昇降機をつける方法もありますが、
使い方を誤ると
転落などの危険もありますから、
慎重に。

眺望と、日あたり・・。
すてきなリビングと同時に、
将来への備えもしておきましょう。

（写真は3階リビング。ホームエレベーターが
あります。）

２階にリビングダイニングを入れてももちろん大丈夫ですよ。技術的なものは全く問題ありません。それよりも大切なのは【家族がどういうライフスタイルを送りたいか？】ですね。後は敷地の条件です。

例えば、４０坪くらいある敷地で、１階でも見晴らしが良かったら、基本的には１階にリビングを置かれることが多いですね。

逆に敷地が３０坪以下で周りの見晴らしが１階では取れず、普段家族が過ごす場所がリビングダイニングなら２階にすると見晴らし＋採光を確保しやすいでしょう。

この写真は３階建ての２階にリビングダイニングキッチンを設けています。吹き抜けの上部から降り注ぐ太陽光は気持ちいいですよ。

ただ、２階にリビングダイニングキッチンを設置する時に気をつけていただきたいのは、屋根面の断熱です。２階建ての２階部分はやはり熱がこもりやすいので、その熱がこもらないように断熱＋通風計画をしないと、快適指数は下がります。

逆に１階にリビングダイニングを持ってくるときは底冷えをしない工夫が重要になってきます。

昼間の生活で一番長くいる空間は、心身ともに大きな影響を与えるものです。１階にしても２階にしてもそこを十分配慮した空間作りが、癒しや安らぎをもたらしてくれるでしょう。

八納啓造 建築家 一級建築士
（?KEIZO ARCHITECT OFFICE 代表）
http://keizo-office.com

大阪の住宅家・幸せこだわり住宅職人謙さんです。

敷地が広い場合は、1階のＬＤＫで良いのでしょうが、敷地の大小に係らず、その敷地がもつ環境調査をします。
年間を通して自然の恩恵と脅威を理解することが、住宅設計の基本だからです。

南側道路の土地でも、一階にＬＤＫが定石ではありません。それは隣家から受ける影響によっては、２階ＬＤＫの方が良い場合もあります。

２階にＬＤＫ（生活の中心）という話になる時に、問題になるのが、階段の上り下りが大変です。

『今は若いけど年をとるとね−。』 こんな時にお話しするのが、

『福井の永平寺に行ってみたら良いですよ。あそこに階段作りのヒントがありますから 。』 と・・・。

謙さんは、踏み面２００ｍｍ、蹴上げ１６５ｍｍを最低の基準にしていますから、現場見学会などでこの階段を体験されると、

『解りました。これなら大丈夫です。』 ・・・と。

階段は、リハビリー住宅には 欠かせない最高の原因づくり（仕組み）の住宅です。

人間死ぬまで健康体でありたいと願うのは当たり前の真ん中です。そうであれば、人生の拠点である住宅にその仕組みが仕組まれていることが大切です。

階段は、気力・集中力・体力を持続させるとすれば、二階のＬＤＫは最高ですね。

最近は、バリアフリー住宅が使用されていますが、謙さんは感心しません。体も心も使わなければ退化します。

便利な設備機能の住宅を、ボケ促進住宅と呼ぶには無理があるのでしょか？