対象:住宅設計・構造
住宅購入についてお尋ねします。
ある雑誌の専門家の方の記事で「建売は経済的には損」というものがありました。
ちなみに、雑誌名は「東京土地のグランプリ06-07年度」(講談社ムック)の118Pで、答えていたのは「森田義男(税理士・不動産鑑定士)」という方です。
ここには「自分で土地を買ってこれに建てれば、ほぼ1000万円は浮く勘定になります。これが第一のお買い得です」と断言されています。
さてこの件は本当なのでしょうか?
実際には、どちらがどれくらいお得・損になるのでしょうか?
お教えください。
向学心さん ( 東京都 / 男性 / 44歳 )
回答:4件
建売はお得・損?の回答です
こんにちは、B&B住研の羽入と申します。
建売を買うより、自分で土地を買って建てたほうが1000万円は安くなる!との話は、少し違いますね。私もその本を読んでみましたが、広告宣伝費を含む販促費や経費・利益分が約1000万円以上と思われるこうした費用の大半が不要となる。との話ですから、金額的にはアバウトな話だと思います。
私の見解は、確かに単純計算では広告宣伝費や経費の半分ぐらいは安くなると思います。しかし、分譲住宅にはいろいろあり相当数纏めて開発分譲しているところは、1棟 当りの経費も少なくて済むので、そこまでは安くなりません。数棟だけの小規模分譲の場合は、経費負担が多くなるので、ある程度安く成ることも考えられます。しかし、自分で探す場合は不動産の購入手数料や、その他造成費や建物の解体費等が必要になるかも知れません。ですから、一概に建売住宅の方が安く成るとは言えないでしょう。
少し余計な事かも知れませんが、家は車のように買うという物ではなく、造ると言う考えが大切だと考えます。建てられたものにライフスタイルを併せるのではなく、自分のライフスタイルに合った住まいを造る事が、寛げる住まいになる・・・と考えますが。
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比較条件の違い
ボッテガベルタ太田と言います。今回のご質問ですが、そもそも全く同じ土地でそこに注文住宅を建てた場合と、同じ仕様、大きさで建売があった場合という仮定でしか比較できない話です。さらに、その注文住宅の単価と建売の建築単価も同じという条件で、そこに経費等がプラスされるという、さらなる仮定の話になります。全く同じ単価で同じものを立てた場合建売には利益も広告費もかかる、当たり前の話です。しかし、現実には、仮に更地の売り地がある場合、全く建築条件がない場合と建築条件がある場合があって、前者の場合、当然建築のほうをとれないリスクを見て不動産業者は土地の価格に上乗せするのが通例で当然土地が高くなる、一方後者の場合、あらかじめ建売ベースの単価でプランを入れてこの建築ならいくらと提示します。当然建売ベースで全体の価格を調整しますし、一般的にまったくそのプランではなく変更や追加をお願いする方が殆どですから追加工事費やその経費を見られれば安くないし、さらに全く注文で作るなら新たに1から見積もることになり、同じ大きさの建売より高くなるの通例です。経験上一般論で言えば、建売より注文住宅が安くなることは建築の観点からすれば殆どないと思います。この論議はそういう意味でナンセンスで、要は建売のメリット・デメリット、注文住宅のメリット・デメリットの比較論であるべきで、これは考え方によって選択肢は変わります。
ご自分で納得して注文住宅を建てられるのもありですし、実際はなかなか自分の思いを正確に伝えながら予算の中で満足する注文住宅を作ることはかなりのエネルギーを要しますから、私なども建売の設計をやりますが、むしろ住む方のライフスタイルを十分検討した注文住宅以上の建売も沢山あります。参考に写真を添付しますのでご覧ください。
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一概には判断できないと思います
こんにちは。後れ馳せながら、私が感じたことを書かせていただきます。
先のお二人の回答と同じように、私も建売住宅が一概に1000万円も損だとは思いません。
確かに販売会社の経費や利益、公告宣伝費などが含んでいますから、その分高いようにも感じますが、そう簡単に比べられません。
土地を購入するにも、個人と企業では差があり同じ金額での取引はできないでしょう。
ハウスメーカーなどが、地主から大きな土地を購入し、宅地開発して住宅を建てて販売する…スケールメリットがあればあるほど、住宅の部材や型が規格品や標準であればあるほど合理的に建設ができ都合良く販売できるので、価格を抑えることができるはずです。
このスケールメリットを販売側の利益にしてしまえば、消費者からみて価格的に損になりますが、多くはここでの利益を抑えて「お買い得」物件として販売しているはずです。
ただ、建売住宅がお勧めといっている訳ではありません。住宅を求めている人は、みな価値観やライフスタイルも違うし資金的なことなどの条件も様々です。その人なりにあった選択ができれば良いのではないでしょうか。
建売住宅ならば、実物を確認して気に入った物件を購入できます。工期などの時間も省けます。
我々のような専門家と住まいを建てる場合は、時間が掛かりますし建て主の手間も掛かります。でもその人に合わせたオーダーメイドの住まいを手に入れることができることでしょう。
建売住宅が得か損かは、単純な比較は難しく、その判断自体が無意味であると思います。
最後に蛇足ですが、建築条件付き土地はお勧めしません。簡単に言えば、不動産取引と住宅建設の請負契約が一緒になっていて、一般の方には非常に分かり難い取引です。フリープランを前面に出した公告が多いですが、我々のような専門家とつくる住まいとは別物です。
アトリエ24 飯沼竹一
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宮原 謙治
工務店
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それは住宅の本質を知らない人の話です。
大阪の住宅家・幸せこだわり住宅職人謙さんです。
家づくりに携わって、38年になります。若き日の昭和58年〜59年(1983年〜1984年)にかけて、ローコスト住宅のノウハウを研究し、それを全国の工務店・材木屋・設計事務所などに100万円で売りました。179,000円/坪(原価13万円/坪)の企画住宅でした。当時は、安くて良い住宅を建てる事が家づくりする者としての使命感であるという志をもって各地を奔走しました。安過ぎると公正取引委員会に呼び出しを受けたこともありました。しかし、自分の心には嘘がつけませんでした。 年間120棟の新築工事をやった年もありましたが、やればやるほど、悩みが深くなって行きました。 客層が良くならないのです。霧島住宅=安い住宅という印象がユーザーだけでなく、社員さん、協力業者の皆さんに伝わっていくのです。ただ仕事をこなしているだけで、自信もプライドも湧かず、将来への夢も希望をもてませんでした。
現代社会は、損するか徳するかの判断で行動する人が多いのが現実です。その価値観が、お金なのです。
家づくりとは、人生最大の投資です。自分と家族の将来を担保にした投資です。この投資の目的は何かをしっかりと理解することが、まず原点です。その上で、投資の目的を果たしてくれる住宅は、何かを判断することが大切です。 きっと、住宅が完成し新しい生活に見る夢は、楽しい生活、健全な生活、幸せな家庭でしょう。。そのような生活が保証された住宅こそ、格安住宅だと思います。
ご質問の、土地を買って注文住宅を建てれば、1000万円の徳という記事は、自分勝手なものであり、素人のユーザーを惑わし、住宅とは何かを知らない人の話です。どうか、 自分の分際を知り、分相応な家づくりをされることをお奨めします。
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