対象:独立開業
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今物流業界でふつうにサラリーマンをしてますが、これから副業として土日と平日の一部を使って今とは別業界での週末起業を考えています。
今の会社では私のような週末起業者が何人かいて彼らから聞いてるところでは会社には副業のことは話していないらしいく、いちおう会社ではサイドビジネスは禁止になっているみたいです。
副業が会社にばれた場合、会社をクビになることはあるでしょうか。
今後自分としては一定の収入も確保したいので二束のわらじで本業と副業バランスよく続けていきたいと考えていますが、何か対策は必要でしょうか。
Yu-kiさん ( 東京都 / 男性 / 30歳 )
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後藤 義弘
社会保険労務士
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兼業と職業生活のリスクマネジメント
昨今の雇用の流動化と就業ニーズの多様化など社会経済情勢を背景に、 Yu-kiさんのような兼業は社会的に決してイレギュラーな就業形態ではなくなってきています。 今後会社と兼業者との兼業をめぐる利害調整の問題が紛争化することも予想され、週末起業で兼業する側も本業と副業のバランスを考慮したご自身の職業生活やキャリア形成に対するリスクマネジメントが必要になってきます。
まずYu-kiさんのお勤めの時間以外の時間については憲法で保障された ''私生活の自由'' が尊重されることが出発点です。 兼業されるYu-kiさんがまずは主張すべき権利と言えます。 ただこの権利は必ずしも無制限に保護されるわけではなく、一定の制約を受けることになります。
Yu-kiさんはお勤めの会社と労働契約上約束した一定の ''労働の品質'' を確保しなければなりません。 つまり ''兼業により業務に支障が出る'' ことがこの品質低下にあたると考えられ、この品質が落ちるようなことがあれば、これはモノで言う「不良品」と同じく契約上の債務不履行(=約束を果たさない)の問題から契約解除(=Yu-kiさんもご心配されている解雇)や損害賠償請求の問題に発展していくことが考えられます。
つまりYu-kiさん側の権利 ''私生活の自由'' と会社側との契約上の約束事である ''労働の品質確保'' の調整関係が焦点ということになります。
ここでポイントは ''会社の業務に支障が生じているか'' どうかです。 例えば、Yu-kiさんが今後副業として事業を始められ、本業での業務を行う上で、業務上必要な残業命令を拒否 (副業を優先)したり、仕事の能率ダウン (副業が影響)等が確認された場合、その程度や頻度によっては会社から就業規則上の兼業禁止規定に対する違反行為として懲戒解雇などのペナルティが課せられることがあります。
補足
このように就業規則上で「兼業」禁止あるいは「許可」制をしいて会社が従業員の兼業に一定の規制を加えているケースがほとんどです。 しかし反対解釈すれば、業務に支障が出ない程度の「兼業」であれば、憲法上の権利、私生活の自由の原則に立ち返り、''法的に会社との契約上の義務違反はない(会社はYu-kiさんをクビにはできない)'' と解釈してよいと思われます。
したがって、会社が業務に支障のまったくない兼業を理由に懲戒処分を課すこともできないことになりますが、仮に法的に問題はないとしても、会社によっては不本意にも懲戒解雇などの重い不利益処分を受けることも考えられます。 そうなるとYu-kiさんとしてはもし会社との穏当な話合いでの解決の余地が与えられないとなると (1) 会社の処分に甘んじて退職する [ 本業喪失 ] (2) 懲戒解雇の効力について争う [ 訴訟等 ] などの対応を強いられます。 これらの選択はそれぞれ (1) 退職金の減額 (2) 精神的・時間的・経済的負担等、いずれにしてもYu-kiさんにとって大きなマイナスであり、信頼関係の喪失から会社での職業生活(本業)の継続を危うくなるリスクをどう考えるかです。
お話のYu-kiさんの今後の職業生活を考えると、やはり会社と本業・副業の適正なバランスを図りつつ大前提として本業に支障が出ないことを確認し合い、会社の理解を得た上での兼業が穏当かつ合理的と思われます。 もしそのあたりの ''信頼関係'' が構築できないようであれば、法的には問題なしとしてもやはり上のようなリスクを負った上で「二束のわらじ」を履くことになるでしょう。
今後Yu-kiさんのように兼業という就業スタイルは増えて来ると予想されますが、本業と副業のバランス、自らのキャリアプラン、会社との関係を充分考慮した ''戦略的な職業設計'' が必要な時代になってきていると言えます。
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