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対象:住宅設計・構造

断熱材は必要なのでしょうか。

住宅・不動産 住宅設計・構造 2008/07/31 13:08

自宅を新築したいと思い,断熱材についてもいろいろと調べました。しかし,そうするうちに断熱材は必要なのか,断熱材なしでできないものかと思うようになりました。理由は今流行の高気密高断熱ではなく,通気性を重視した夏エアコンなしで涼しく過ごせる家にしたいと願っていたからです。そんなとき大阪のある工務店さんが3センチ厚の杉材を床・壁・天井の下地に断熱材代わりに使われているとの記事を雑誌で読みました。これは私の理想なのですが,断熱効果が少し心配です。実際はいかがなものなのでしょうか。断熱性能及びコスト的にご回答をいただけると幸いです。

からあげ天国さん ( 宮崎県 / 男性 / 40歳 )

回答:3件

野平 史彦

野平 史彦
建築家

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どうのような室内環境を望むのか、を明確にしましょう

2008/07/31 15:30 詳細リンク
(5.0)

(株)野平都市建築研究所のノヒラと申します。

宮崎県は暖かい土地柄ですから、断熱については人によってその捉え方が違うのではないかと思います。
冬場の寒さに対しては、多少寒くても我慢できる,という人は断熱の必要はないでしょうし、家中暖かくしたい、と言うなら、断熱+暖房のバランスを考える必要がありますし、しっかり断熱して太陽のダイレクトゲインだけで無暖房というのも可能でしょう。

夏場の暑さについても、断熱をした方が外部の熱の影響を抑えることができます。

3センチ厚の杉板でも全く構わないと思いますが、断熱性能でみると、柱1本分の厚みの木はグラスウール100mmの1/3位の性能ですから、3センチ厚だとグラスウールの1/9位の断熱性能ということになります。
即ち、3センチの板を断熱材と考えると、ほとんど気休めにすぎないと言えます。

しかし、私も宮崎で高気密高断熱など考える必要はないと思います。
断熱をしても内部結露を起こさずに湿気が外に抜ける「透湿する壁」を作れば良いのですから、それなら、あなたの理想に近いものになるのではないかと思います。

お金があればセルロースファイバーを充填したいところですが、コストを考えればグラスウールでも問題ありません。

これを私は「透湿断熱工法」と呼んでいるのですが、
詳しくは私共のHPの「住宅断熱基礎講座」の最後の項「高気密・高断熱後の断熱学」にありますので、参考にして頂ければと思います。

評価・お礼

からあげ天国さん

ご回答ありがとうございました。
私も断熱材を使うのだったらセルロースファイバーが一番いいのかなと考え,一度山口に行ってみたいと思っていました。不燃材のホウ酸がどうしても気になるものですから。
これから様々なことを総合的に考えて決めていきたいともいます。
この度は本当にありがとうございました。

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宮原 謙治

宮原 謙治
工務店

- good

断熱材不要のノンエアコン省エネ住宅自然通気工法の家

2008/07/31 18:18 詳細リンク
(5.0)

大阪の住宅家・幸せこだわり住宅職人謙さんです。

ご指摘の通り、時代は省エネ住宅の名ももとに高気密高断熱住宅が大流行です。

その結果、エアコンと換気扇がなければ住めない機械化環境依存の住宅となりました。年間10ヶ月はエアコンが動いているという家も少なくありません。気密性や断熱性を求めたことで窓の役割が失われ、単に明るさのためという役割になってきました。

要するに窓を開けて生活するという文化を失い、エアコンに支配される生活へと変化していきました。年間を通して、常温・常湿の生活となり、窓を開けなくていい生活環境は、その生活を習慣化させ、習性(癖)とさせてしまいます。

『窓を開けて生活するよ!』と、反論する人もいますが現実は窓を開けない生活が、習性化しています。ノンエアコン省エネ住宅自然通気工法の家の基本コンセプトは、人間は空気を吸っているという原点思考の考えです。

空気を入れ換える方法は、以下の通りです。
1)換気:換気扇(機械)により強制的に空気を換える方法です。
2)通風:窓を開けることです。
3)通気:対流(空気は暖まれば軽くなる性質)の活用です。窓を閉めていても空気が入れ替わる方法です。床下の新鮮な空気を室内に取り入れれば最高です。

杉の板は、断熱性というより、保温性として考えたらいいでしょうね。コストは、安いですよ。宮崎県は杉生産日本一の県ですから大丈夫ですよ。

夏、外から帰って来て玄関に立った時に、『この家エアコンはいっているの?』このような錯覚に陥りますよ。床下の空気は、夏は28度前後ですし、冬は10度前後です。(大阪)北海道の紋別でも外気温マイナス15度の時に床下は、5度前後でした。

詳しくは、謙さんブログにもあります。http://blog.livedoor.jp/kirishimaj/
また、お盆には、宮崎(小林)に帰省しますからもう少し説明できたらいいですね。どうぞ、お気軽に申しつけ下さい。

補足

もう少し説明しますね!

■杉板【30mm】を外壁の柱と柱の間に使う(やしろ板と呼んでいます)ということのメリツトは以下の通りです。

1)杉板の持つやわらかさ【杉板自身の空気層(空隙)】は、断熱性がある。
やわらかい木ほど、面積あたりの空気層が多いので断熱性は高いので、
一番良いのは桐の板ですね。

2)合板と比べ、水分の吸収・排出(調湿性)に優れる。

3)柱と柱の間に入れることで、剛性が得られる。筋交も使いますが効果があります。

■壁の中に床下の空気を流れるようにすることで、家全体が外気よりも、夏は冷たく、冬は温かい酸素を十分に含んだ空気に包まれる。この空気を外壁を流すだけでなく、室内にも流す(取り入れ排出)ことで室内も新鮮な酸素を含む空気となりまます。

夏は全開、冬は全閉する開閉式の床下換気口と、室内換気口を設けて空気が流れる量を調整します。

ですから、窓を閉めていても開けていてもその効果には変わりないです。
今の季節、窓を閉めていて、外から帰宅した時にびっくりしますよ。

床下には、もちろん炭を敷きます。

■窓を開ける(通風)の生活は、昼間と夜、夏と冬というように一年中できることはむずかしいですね。家にいる時に窓を開けられる生活が出来れば出来るだけそのようにすることが良い訳ですから、そのような窓の付け方の研究は必要です。

青森でも、壁に杉板を使ったノンエアコン省エネ住宅自然通気工法の家が活躍しています。もちろん断熱材無しですから・・・。

評価・お礼

からあげ天国さん

ご回答ありがとうございました。
謙さんが大阪で建てる家をぜひ見学に行きたいものです。特にこの酷暑の中。遠いのが残念です。
断熱材は冬の効用はよく分かりますが,夏は窓を開けっ放しにして通風させる限りは,さほどの効果は期待できないのではないかと考えます。かえって通気性を阻害しマイナスになるのではないかと。
「家のつくりようは夏をむねとすべし」と言う言葉に従えば,やはり断熱材はなくてもいいのかと思う次第です。

横山 彰人

横山 彰人
建築家

1 good

断熱材は気候、風土を考えて

2008/07/31 22:38 詳細リンク
(4.0)

私があなたと同じ宮崎県に住んでいたら、間違いなく断熱材は使わないでしょう。
断熱材に使うお金で、住まいのほかのこだわりに使います。

宮崎県は一年を通して温暖で安定した環境ですし、年間の平均気温は17,3度です。しかも快晴日数も日本一です。

自然や風土そしてその地域の風の流れを考えず部屋を作り、後は機械で換気や温度調整をすればいいという、高密度、高断熱の基本的な考えは様々な形で商品化され、住宅産業に潤いをもたらしました。
しかし、日本の風土に合った家づくりという観点から見ると、かなり歪めてしまったのではないかとさえ思っています。

宮崎の溢れる光をたくさん室内に入れ、開放的な空間に吹き抜ける風、そしてもともと断熱性を持つ自然の素材を取り入れた家づくりをすれば、断熱材は不要でしょう。

家で過ごす一年のうち、何日かたまらなく寒い日があったり、何日かとても暑い日があっても、そのために断熱材に対して神経質にならなくてもいいと私は思います。

評価・お礼

からあげ天国さん

ご回答ありがとうございました。
知り合いが木をふんだんに使った家を建てました。
その家は断熱材は使っていますが,この猛暑が続く夏でもエアコンはほとんど使わないそうです。
先日おじゃましましたが,確かに厚いのですが,ムッとした暑さではありませんでした。木やシラス壁の調湿作用で湿度がさほど高くなかったためだろうと思います。その家のご主人曰く「一年中同じ温度だったら変だろう」。そのような考え方こそ大切にしたいと思いました。

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