対象:住宅設計・構造
皆様初めまして。是非専門家の方達にお聞きしたく投稿しました。只今一戸建ての新築を考えております。(埼玉県です)出来れば伝統構法木組みの家(構造体は仕口や継ぎ手でつなぐ・金物はなるべく使わない・筋交いは入れず貫き等で柱間を固定する)で建てたいのですが、現在の建築基準法上では一切問題は無いのでしょうか?(初めの建築確認申請や最後の完成検査等) 後、24時間換気システムですがこれは法律上強制でしょうか? 新建材を殆ど使わず木組みの家には強制換気など必要ないと思うのですが。 もし強制ならば一番簡素でシンプルな設備にしたいのですがどう言った物があるのでしょうか?
aomusi428さん ( 埼玉県 / 男性 / 35歳 )
回答:2件
森岡 篤
建築家
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伝統文化に冷たい役所
aomusi428さん、はじめまして
パルティータ建築工房の森岡です。
日本の役所は、日本伝統文化に冷たく、特に昨年の建築基準法改正以降、伝統構法では手続きに苦労しているようです。
元々建築基準法上は、伝統構法は位置付けられてすらもなかったのですが、性能規定化の流れで、限界耐力法という設計法を使えば、建てられるようになりました。
しかし、昨年の基準法改正で、伝統構法は2階建ての4号建物(最も軽微で確認申請も簡単なはず)でも、大規模ビルと同じように構造審査で2重チェックをする、適合性判定のルートになったようです。
一般の在来木造に比べ、費用と時間がかかりそうですが、合法的に建てることはできます。
自然素材を使い、通風が確保できる家では、おっしゃるように24時間換気は不要と考えられますが、法律で義務付けられています。
最もシンプルなシステムは、例えばトイレの換気扇に24時間対応のものを用いて構成する、第3種換気です。
トイレを使用する時は換気扇出力を上げ、常時は出力を下げた状態で24時間換気とします。
参考にしていただけましたでしょうか
深澤 熙之
建築プロデューサー
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伝統構法は先人からの知恵の工法です。
こんばんは〜aomusi428様
はじめまして、外断熱工法、外断熱リフォームを専門にしています。昭和アルミグループの代表の深澤煕之です。よろしくお願いします。
伝統構法を建てるには建築基準法の法律の問題があるのですが、先の先生が言われたとおりなのです。
今の建築基準法の元になる法律は昭和25年に制定されたのですが、簡単に言えば、国側から見て、技術力の低い大工でも地震などの災害に対して一定レベルの耐震性のある建物の基準にする為、木造軸組に筋交いをする方法で耐震力の基準をクリアさせる目的が今日に続いている建築基準法であります。
本来ならば、伝統構法のほうが地震に対して柔軟にその地震の揺れに対し緩和していく工法で地震に対しての免震構造になる訳なのですが、この伝統構法は大工や棟梁の技術が優秀でないと、逆に地震には弱い建物になってしまうので、国側が建築基準法を作り、伝統的な伝統構法の高レベルの技術をもった大工や棟梁を低レベルの技術で良い木造軸組の筋交い工法(現建築基準法)に従わせてきたというのが現状なのです。
伝統構法は限界耐力法(性能設計とみなされる)でその耐震性能の基準をクリアさせるという事なのですが、あくまで設計は最低基準をクリアするものであり、伝統構法による建物が出来、不出来は大工や棟梁などの腕や墨だしの技術にかかっています。
私の祖父(宮大工)が口くせのように言っておりました、最近の家は箱ものの建物で耐震性に優れているというが、あれが家ではない、国は何を考えているんだ、法隆寺は何百年もの間地震にも耐え、現在にまで残っている、日本の風土にもあっているし、建築基準法なんかの建物より余程地震には強いと言いますか、地震には柔軟で安心な建物だとよく言っていました。
伝統構法で建てる場合はそういう工法に長けた設計士と優秀な大工、棟梁、墨だしの技術で立派な建物が建てられるという事であります。
補足
また、強制換気という質問ですが、伝統的な建物の構造で建てられるのであれば、そういったものは必要がありません。安易な考えで高気密、高断熱の建物を建てるから、そういった家の場合は湿気や結露で蒸れたり、腐食するので、強制換気とか通気工法というような手法で湿気をコントロールをしていかなければならなくなったのであります。
右記は私が書いているブログサイトです。参考程度に 昭和アルミ公式ブログサイト
(現在のポイント:-pt)
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