ITベンチャーでのキャリア形成について

アクシスコンサルティングの荒木田です。

まず大前提として、ITベンチャーというものの考え方
が様々ございますので、100名以下創業10年以下くらい
の規模感と定義して回答させてください。

ITベンチャーでの経験のメリットは、若くして責任の
あるポジションを経験できる点が一番だと思います。
また未成熟な組織を作り上げる過程を体験し、ゼロベ
ースから作り出せる経験を積む事が出来ることも大き
なメリットかもしれません。

逆に大企業でのビジネス経験のメリットは以下のよう
に考えています。既に出来上がった組織で、世の中の
環境にどう適応していくか考え、自社の「強み」
「弱み」「脅威」「機会」を冷静に判断し、ビジネス
を推進する、そんな力を身に付けることが出来るのだ
と思います。

ITベンチャーは非常にフラットな組織ですし、そこの
タイトルに関しては転職マーケットではあまり大きな
意味はなさないように気がします。クラスを意識する
よりも、ITベンチャーにて「何を成し遂げたか？」を
手土産に次のキャリアアップを目指されるのが本質か
と思います。

これから3年、ベンチャーで若くして管理職を経験することなどが大手や古い一般企業へのキャリアアップ転職のチャンスにつながるか、
ということでお答えします。

買ってもらえるチャンスはあります。
以前はベンチャーにスピンアウトしたら
なかなか大手には戻れなかったのですが、
最近はそうでもなくなり相互に往来できるようになってきました。

ただ、成長期のベンチャーと成熟期の企業では
同じ仕事でも
共通して活かせる能力と使う能力が異なるところがあります。

たとえばご質問の管理職業務を例にすると

ヒューマンスキル 人間力 対話力
主体的学習能力
論理的な思考力
コンセプチュアルスキル（課題発見力）

これらはベンチャーでも意識すれば鍛えることができ
大手にいっても共通して活かせるチカラ、
つまりどこの会社でも市場価値があるチカラです。

しかし、使い方やマネジメントスタイルは
機動力やビジョンを掲げ突き進むベンチャーに対し
大手は組織やしくみで大きく物事を推し進めることが求められます。

なぜ大手なのかはご質問からはわかりませんが
このあたり「鍛えることができる筋肉」と
「キャリアアップのために求められる筋肉」を検討してみて
「特にどこを鍛えるか」を決めてゆくことをオススメします。

あと「キャリアアップ」というコトバは便利なので
よく使いますが、よくよく考えると相当抽象的なコトバです。

どんなことを実現させることがキャリアアップなのか
キャリアアップというコトバを使わないで伝えられるように
考えてみることもオススメです。

大手とベンチャーの両方を経験されており
それぞれの特徴もおわかりだと思いますので
なぜ大手である必要があるのかということも含めて
目指したい姿が具体的になって
いまから3年どんなことをしてゆけばよいかが
見えてくるはずです。