対象:独立開業
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特許を取得して実用化するため個人事業主に登録してある市の試作開発費用融資に応募しました。しかし、不採択でした。採択された案件はすべて株式会社でした。また、ある新聞社が主催するものづくり展に応募しましたがこれも採択された案件はすべて株式会社でした。また、一部上場の会社数社に試作見積依頼を申し込みましたがすべて断られました。個人事業主では信用がなくだめなのではないかと感じております。今後は特許に興味を示して新規事業として認めてくれる企業と委託契約を結ぶか、嘱託等で技術顧問となりその会社名で試作等の見積依頼や融資依頼をしてほうが良いのか悩んでおります。また、他に良い方法等があればご教示お願いします。
マヤギさん ( 神奈川県 / 男性 / 71歳 )
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まずは融資制度の公募要領と合致しているか確認しましょう
マヤギさんこんにちは。
特許技術を活用した事業に対して融資を受けるには株式会社である方が有利か?というご質問ですね。
ご相談の文章を拝読したところ、ご自身を個人事業主に登録して融資案件の応募や上場企業と事業化の相談をしても思ったような結果に結びついていない状況を想定しました。
ご相談の内容から、採択に至らなかった理由の確認や分析までに至っていらっしゃらないのかと推察しております。
その一方で、確かに公募要領上に株式会社についての制約の明記がなくとも融資制度によっては株式会社が有利な場合もありますし、そうではない場合もあります。
そこで、
・不採択理由の確認
・融資制度に対する応募時の留意点
・融資を受けるには株式会社の方が有利か
について説明したいと思います。
1. 不採択理由の確認
融資制度や補助金制度では、それぞれの目的に従って一定の公募要領と採択基準が設定されています。
応募された内容は一般的に、まず公募要領を満たしているか、採択基準を満たしているか、他の応募と相対的な位置づけはどうかが確認され、採点・優劣が決定されます。
評価者はそのような採択基準の取り決めの中で採点・優劣の判定をしていますので、可能であれば応募先に不採択の理由を問い合わせることをおすすめします。
不採択の理由を把握することで、具体的な次の打ち手を考えることができます。
2. 融資制度に対する応募時の留意点
マヤギさんはすでにおわかりかもしれませんが、念のためにご説明します。
融資制度は、金融機関や組織がそれぞれの目的をもって提供しています。
地域の事業者の技術力を強化する、新商品の開発などによって経営の向上を図る、などです。
例えば「中小ものづくり高度化法」は「<前略>ものづくり基盤技術の研究開発およびその成果の利用への支援を通じて、その高度化を図り、もって国民経済の健全な発展へ寄与することを目的<後略>」としています。
一見、いろいろな新技術で新商品開発を実施することを支援するように読むこともできそうですが新しい技術であれば支援するというものでも無く、定められた技術領域に合致しているか、どのような市場ニーズを獲得できるか、どのような社会課題が課題し解決が見込まれるかなどの具体性が求められています。
(中小ものづくり高度化法ポータルサイト)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/portal/index.htm
(中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律 逐条解説)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/chikujou_kaisetu/download/sapoin_chikujou_all.pdf
これ以外にも他の商品や技術開発の融資制度では、開発と事業を両立しながら融資を返済できるような一定以上の資金力はあるか、商品化の実現性はどのくらい確実であるかが評価されます。
したがって多くの場合、このような融資制度では基本的に以下のような事項に留意する必要があります。
・技術面:新規性があるか、独創性が高いか
・事業化面:どのくらいの市場規模が見込まれるか、投資に対してどのくらいの収益性が見込まれるか
・遂行力:計画の実現性が高いか、遂行する上で財務状況に問題は無いか
当然ながら、融資制度や補助金制度によって制度の目的と公募要領が異なりますので、公募の前にそれらを十分に読み込んで確認することが必要です。
3. 融資を受けるには株式会社の方が有利か
各制度の公募要領に株式会社や個人事業主などの制約について記述が無ければ、応募した内容は基本的には同様に確認・評価されます。
しかし、個人による計画立案・応募資料作成では、どうしても市場調査能力や資金力の制約で不利であることは否めません。例えば、事業化面において市場規模を説明する場合には、各種の統計データを収集したり自社でアンケートや調査を実施したりする場合には、どうしても人的リソースが大きい会社が有利になります。
また、資金力については自分の事業の財務安定性を説明するには、詳細な財務諸表を複数年度で提示し、融資の際に担保となる資産や、十分な運転資金を保持する体制を持った企業の方が安定性をアピールしやすくなります。
それでも個人事業主のような小規模の体制でも応募が採択されることは少なくありませんので、全く不可能であるとも言い切れません。
以上をまとめますと、まずはそれぞれの融資・補助金制度の公募要領においてご自分が意図される目的・規模感に合致しそうであるかを確認し、その上で公募要領が要求する事項を満たしているか具体的に記述して応募する、ということが肝要となります。
それが難しい場合には、各自治体の窓口や中小企業庁の相談窓口を活用していただくことも有効かもしれません。
( 神奈川県産業振興センター )
https://www.kipc.or.jp/business-support/management/#section1
( 中小企業庁 各種相談窓口 )
https://www.chusho.meti.go.jp/soudan/madoguchi/index.html
以上となります。
マヤギさんの商品開発が成功することを、心よりお祈り申し上げます。
回答専門家
- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
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