32歳の会社員、男性です。
一度も恋愛をしないままこの年齢まで来てしまいました。
正直、恋愛感情という類の感情が全く分からないのです。
道行く人や芸能人に対して「可愛い・綺麗」という感情はあります。
性欲も適応障害の為に薬を服用するようになって大分なくなりましたが、あるにはあります。
同性愛者でもありません。
ただ、純粋に人に惚れるという行為が一体どういうものなのかが全く分からない(感覚で分からない)のです。
仕事も勉強も趣味もスポーツも頑張ればその分の見返りがあります。
高いレベルをいきなり要求してはその物事を楽しめないので、程々の達成感が大切に思います。
それが自己肯定感情に繋がるように思っています。
ただ、他人という存在だけは幾ら自分が努力をしてもどうにもならない存在です。
他人の感情をこちらの思う通りに動かそうとしてもそれは無理な事だと分かっています。
他人に対して頑張っても自分が期待しているであろう見返りは手に入らないからです。
自分の中で女性は攻略ゲームのボスキャラの様な存在に思えます。
相手の気を引くためには~しないとならない、話を聞いてあげないといけない、思いやりを見せなくてはいけない、等
やらなければいけない項目が沢山有り、かといってその項目をクリアしたからといってどうにかなるものでもありません。
相手の要求に適切に応えられる能力を都合よく「男らしさ」という何の指針もない言葉で表されると理解に苦しみます。
基準や要領書のないものに対してどうやって対応してゆけば良いのかさっぱり分かりません。
「お前は(あなたは)見た目が良いからその気になればどうにもできるのに」と周りには言われますが、
それはあくまで私が身奇麗にしているというだけで、女性から自身に対しては何の得もありません。
私が楽器が弾けても、相手の女性には何のメリットもありません、お金も満足度も満たされないでしょう。
だから、良く分からない「相手を思う気持ち」というのを理解しようとしても結局攻略ゲームの件に戻ります。
本来なら別に恋愛する必要も結婚する義務もないので気にしないでいればよいのでしょう。
ただ、こういう感情を持っているという事はそれを理解したいと自分が思っているのだと思います。
理屈っぽい文章しか書けませんが考え方の指針を頂きたく存じます。
sigmaさん ( 東京都 / 男性 / 32歳 )
回答:1件
つき合ってから恋愛感情を実感することもあるのでは?
sigma様
初めまして、堀江健一と申します。
感覚として「惚れる」という実感を抱いた事が無く、ご自分の女性との恋愛に対する考えに対しても、専門家からの意見を聞いてみたいと言う事でしょうか。
まず、「恋愛感情を抱いた事が無い」ことについて、幾つかその原因の可能性を考えてみたいと思います。
人の感情や、感覚というものも、実際は非常に実態のない、ある意味適当なもののようです。
「吊り橋効果」と言うちょっと有名な心理学の実験があります。アメリカでの実験です。
下に川が流れている高いつり橋の上で、被験者の男性に、一般的に美しいと思われる女性がニセのアンケート調査をしました。調査の後、何か後で疑問など何かありましたらご連絡下さい、と男性に女性の電話番号を書いた紙を渡しておきます。
比較する為、同様の行いを、同じ女性が、今度は、別に身の危険を感じるような橋の上ではない場所で行います。
実験の結果、高い橋の上でアンケート調査を行った男性からの方が、後日女性への電話が、多く入ったというものです。
結果から導き出されたのは、高い橋の上などでは、それだけ緊張したり、胸がドキドキするなどの精神的・肉体的な変化が起こりやすい。その様な状況下で女性と接すると、胸のドキドキが、橋の上だからドキドキするのではなく、その女性が魅力的で、自分が恋愛感情を抱いたためにドキドキしてしまったのだと男性が思い込んだからだ。
と言うものです。
実感として、人に「惚れた」という感情が無くても、「惚れた」ような気になってしまう事がある、と言う事を示している実験です。
sigma様の場合、sigma様は大変自分の感情を厳密に検討してみる傾向がお強いのかも知れません。
ご自分でもおっしゃっているように、非常に理屈で物事をとらえる傾向がお強い方ですと、女性を目の前にして「可愛いな」と思ったとしても、冷静に自分の感情を分析してしまわれるでしょうから、「可愛いなとは思うけど、それは恋愛感情ではない」と判断して、それ以上「その気(惚れたような気)」になれないのかも知れません。
あるいは、実際には恋愛感情を人並みに感じているのに、その感覚を「これが、自分が人に惚れた時の感覚なのだ」と学習する機会がなく、結びついていないので、頭で考えた時には「別に惚れたわけではない」と判断してしまっているのかも知れません。
子供が人生で、初めて好きになる人というのは、恐らく「母親」ではないかと思います。
その感情は、赤ちゃんだったら言語で意識する事はできないでしょうが、「ママがいなかったら生きていけない」
「ママはいつも自分の面倒をみてくれる」「とても大切で必要な存在だ」「だからいつも一緒にいて欲しい」「ママは僕だけの事を見てくれる」「僕だけがママを独り占めしたい」「僕もママに何かしてあげたい」という様な様々な想いを経て、それが「ママが大好き」という感情なのだと学習して行くものかと思います。
sigma様の場合、お母様との関係性はいかがだったでしょうか?ひょっとすると、あまり甘えたり、安心して依存する事ができず、「好き」と言う感情体験を経験しづらい環境であったようなことは無かったでしょうか?
あるいはアスペルガー症候群の方のような脳の機能に偏りがあり、そのため理屈で物事を捉えることは得意でも、感情的な部分で捉える事が難しく、そのため「恋愛感情も実感を持って感じる事が出来ない」のかも知れません。
アスペルガー症候群の方の特徴については、コラムに詳しく連載しておりますので、よろしければそちらをご覧いただければと思います。
あるいは、人との繋がりを求めたり、恋愛をしたいと思う感情を左右する「オキシトシン」というホルモンがあるのですが、それが何らかの原因で不足しているのかも知れません。幸福感にも影響を及ぼすホルモンで、近年注目されています。
このオキシトシン、薬の様に鼻からスプレーで吸引するような治療もあるようですが、実生活の中で人との交流や、恋人との楽しいひと時を過ごすことで、分泌が促されるそうです。
つまり最初は恋愛感情が乏しくても、関係を深めて行けば「恋愛感情」も感じやすくなると言うことです。
いずれにせよ、現状では「恋愛感情」を感じる事が出来ないことにはかわりありませんが、「この人に惚れた」という実感が無くても、付き合ってみることは出来るはずです。
ただ実際異性とつき合うとなると、sigma様がおっしゃるような「やらなければいけない項目」が沢山有るのもその通りでしょう。そしてマニュアルらしき「恋愛本」は沢山ありますが、実際にそのマニュアル通りに事を進めれば上手くいくわけでもないでしょう。
誰にとっても「恋愛」は難しく、面倒なものを含んでいるものです。
ただ、デメリットばかりあるのなら、誰もそんなことはしないものでしょう。
sigma様がまだ知らないメリットがあるから、多くの人がしたいと思っているのだと思います。
「仕事も勉強も趣味もスポーツも頑張ればその分の見返りがあります。
高いレベルをいきなり要求してはその物事を楽しめないので、程々の達成感が大切に思います。
それが自己肯定感情に繋がるように思っています。」
とお書きになられているように、そうした見返りや、達成感を得ることが動機づけとなって、色々な事をする事も楽しい事の一つでしょう。
恋愛も同じ事が言えないでしょうか?
面倒な事や、犠牲にする事もあるでしょうが、その分、相手の方もsigma様を大切に思う様になってくれるでしょうし、その時の喜びは、「損得」では計り知れない感情をsigma様に与えてくれることでしょう。
その時、sigma様ご自身も、相手を「好きだ」という感情を体験できる可能性は高いのではないかと思います。
最初はsigma様が「良い人だな」位の気持ちを抱く事が出来る女性と少しずつ仲良くなって行って、関係性を深めていくうちに段々と、sigma様ご自身の「恋愛感情」も育てて行かれたらいかがでしょう?
最初から「僕はこの人に惚れた!」なんて思う人が現れてからでないと、付き合ってはいけないと言うわけではないと思います。
ただ、今まで経験した事が無いことをやるわけでしょうから、不安にも思うし、どうしていいのかわからない事もあるのは無理もないことです。
「ちょっと良いな」と思ったからデートしてみたけど、やっぱり合わなかったなんてことは、普通にあることですから、少し気軽に考えて見られても良いかも知れません。
そうしたお悩みを持たれている方が、少なからずおられるからこそ、私の様なカウンセラーの必要性もあるわけですから、わからないところはそうしたカウンセラーと協力しながら進められてみても良いかと思います。
私の身近にも、本人の希望で食事会などして女性を紹介しても、まったくその後発展しない友人がいたりします。別に気に入らなかった、ということならそれは仕方が無い事なのですが、自分からデートに誘ってみるという発想自体が無いように感じられます。
女性の方が積極的だったら、どうにか進む事もあるかも知れませんが、なかなかやはり男性の方が行動に移さないと、動いていかない様には思います。
ご本人の動機づけが大切ですね。
回答専門家

- 堀江 健一
- (東京都 / 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー)
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
何より優しく共感を持って、あなたの味方になります
2021年公認心理師(国家資格)取得13年間で1万人以上の相談実績を基に、深く人を理解し心のもつれた糸を解きほぐします。恋愛が出来ない、自己否定感、人と接するのが怖い、夫婦間の亀裂など、人間関係全般、アスペルガーの方の社会適応などのご相談。
(現在のポイント:-pt)
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