対象:借金・債務整理
回答:1件
会社の横領における家族の弁済義務について。
はるまさha様。再び、北海道旭川市の行政書士の小林です。
不法行為(民法709条)に基づき、会社に対して損害賠償義務を負うのは、家族が夫の横領に加担したといった事実がない限りは、あくまで横領した本人である夫です。
横領した人の家族に不当利得(民法703条)が存在するかどうかという問題について考えた場合、裁判例上は、横領したお金だと知らずに生活費として使われていた場合は、横領された会社の損失と生活費に充当された利益とのあいだにはに因果関係はなく、家族には不当利得はあたらないと認定されることが多いようです。
したがって、夫が弁済の途中に何らかの理由で弁済を滞ったとして、会社が横領した夫の家族に横領されたお金の弁済を求めて民事訴訟を提起したとしても、家族が犯行の当時横領の事実を知らなかったのであれば、会社の請求は棄却される可能性が高いでしょう。
夫が弁済途中に亡くなった場合、離婚した元妻には相続権利はありませんが、息子さんは離婚したあとに母親の戸籍に異動したとしても、子であることに変わりはありませんのでほかの相続財産と併せて弁済すべき残債務を相続することになります。
この場合、プラスの財産よりもマイナスの財産(債務)の方が多いのであれば、亡くなったことを知ってから3か月以内に相続放棄の手続きを行えばプラスの財産も含めて相続しないことになりますから、息子さんが横領したお金の残債務を支払うべき義務は無くなります。
簡単に書きますと。
家族は横領に加担していなければ弁済すべき義務は無く、弁済中に夫が亡くなった場合は、家族は相続放棄することで弁済義務を免れる。
と言うことになります。
評価・お礼
はるまさhaさん
2013/12/21 18:04早速、丁寧な回答をいただきありがとうございました。万が一の時、息子の事が一番心配でしたので安心しました。籍はぬけても
父親になってしまうのですね。相続放棄ができるのでよかったです。
ご回答本当にありがとうございました。
回答専門家
- 小林 政浩
- (北海道 / 行政書士)
- 小林行政書士事務所
離婚協議書・内容証明などの書面作成はプロにお任せ下さい。
当事務所では、書面作成の際は必ず依頼者に文面の内容を確認いただきながら書面を完成させます。依頼人不在のまま書面が完成するようなことはありません。依頼人の思いを最大限に込めた最高の文書を作成いたします。書面の作成はプロにお任せ下さい。
小林 政浩が提供する商品・サービス
正しいアドバイスとサポートをします。
(現在のポイント:-pt)
このQ&Aに類似したQ&A