対象:住宅設計・構造
こんにちは。
充填断熱の防湿気密シートについて教えてください。
充填断熱で、室内側に防湿層として防湿気密シートを施工するものと思い込んでいたのですが、どうも防湿層は設けず、外から、サイディング→通気層→透湿防水シート→ダイライト→湿式セルロースファイバー50K→石膏ボード→クロスという形でで施工するようです。
業者に確認したところ、省エネ等級の4地域というところに属するため、省エネ等級基準でも透湿抵抗比?の関係で防湿層は免除できるから施工しないとのことでした。
防湿層として防湿気密シートは不要という部分は理解したのですが、
1.防湿気密シートを施工しないことにより、内部結露(壁内結露)のリスクはないのでしょうか。
2.脱衣所がクロスではなく珪藻土なので、壁内に湿気が入り込んでしまい、内部結露を起こすことはないのでしょうか。
非常にわかりにくい文章で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
住宅購入希望さん ( 東京都 / 女性 / 29歳 )
回答:1件
断熱材の透湿抵抗に関して
横浜の設計事務所です。
断熱性能が良くなると、外気温と室内の温度差が大きくなります。地域にもよりますが、寒い地方ほど当然その差は大きくなります。
そこで問題になるのが断熱材の透湿性です。冬季に室内の暖かくて湿った空気が断熱材を抜けて、冷えてる外壁側に伝わったらそこで結露する可能性が出ます。
そこで、断熱材の室内側にビニールを張詰めて湿気が断熱材のほうにいかないようにします。と言っても、コンセントやスイッチやらで穴だらけになるじゃないか、という話もあって丁寧な施工が重要になります。また、多少穴があっても無いよりは遥かにましという事もあります。
透湿抵抗といって、湿気を通しにくい素材の断熱材もあります。例えば現場発泡のウレタン断熱材などです。
湿気を通しにくければ、外壁側に室内の空気は伝わりにくいので防湿ビニールが無くても大丈夫です。
ただ、まったく透湿しないわけではないので寒い地域では検討が必要になるかもしれません。
検討方法には一般社団法人住宅性能評価・表示協会が出してるガイドラインが一つあります。
http://www.hyoukakyoukai.or.jp/download/pdf/guide_onnetsu_shiken.pdf
セルロースファイバーのような繊維系の断熱材は透湿抵抗が非常に低い(弱い)です。
透湿抵抗を理由の防湿ビニールの施工を省いて良いとは思えません。
ただ、上記の計算において結露の可能性が低ければ省くことはできます。実際の所、関東近辺は温暖ですので多少結露してもそれほど問題ない場合もあります。
と言っても、上記の計算の条件は一つのモデルなのでもっとシビアな場合もあるかもしれません。
断熱の等級にもよります。等級が上がれば外気温との差は大きくなるので、条件はシビアになると思います。
北海道では高断熱が始まったときに躯体内結露が大きな問題になりましたが、関東ではそれほどは聞きません。個別に問題になってる物件はもちろんあります。
地域的には断言はできないですが、私の設計でしたら繊維系断熱材で高断熱にする場合は(高断熱はデフォルトですので)防湿ビニールは施工すると思います。
<あーす・わーくす http://office-ew.com>
評価・お礼
住宅購入希望さん
2013/08/05 18:08お礼が遅くなってしまい、申し訳ありません。
ご丁寧な回答ありがとうございました。
やはり、内部結露対策に、気密シートの施工を頼んでみようと思います。
小松原さんの回答は、コンパクトで、的を得ていて非常に分かりやすいです。
本当にありがとうございました。
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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