対象:子供の教育・受験
同じ職場の友人からの依頼で質問です。彼女は、息子が1歳になるかならないかで離婚しました。泥沼になることもなく、円満な別れ方だったので、県外にいる父親と息子さんもは長期休みなどには会っていて、養育費なども滞っていないようです。
最近、彼女が悩んでいるのは、息子さんがちょっと何か悪いことをすれば「母子家庭だから仕方ない」「父親がいないから叱る人がいないから」と言われることです。彼女自身に言うのは構わないけど、息子さんに言われると息子さんのコンプレックスになるんじゃないかとか・・・やっぱり男の子で父親がいないのはよくないんだろうか・・・とすごく悩んでいます。
私から見ると、反抗期はどこの子もあるし、両親が揃ってるとか揃ってないは関係ないし、実際、息子さんは、ときどき、羽目をはずして先生に叱られているようですが、お母さんとも仲の良いスポーツ好きな子に育っているように思えます。道徳的なコメントではなく、子供の発育の面からのアドバイスと、今後気をつけることを教えてほしいと言うので、ここで質問させていただきます。よろしくお願いします。
黄色いぞうさんさん ( 愛媛県 / 女性 / 40歳 )
回答:1件
「母子家庭」であることに問題はありません(発達心理学より)
今日は。
以前にも回答致しました、大澤眞知子です。
やはり愛媛にいらっしゃるお友達からのご相談でしょうか。
超保守的な愛媛の土地柄、「まだ化石時代か!」というほど古い古い「みんな一緒でなければいけない集団主義」を絵に描いたような「周りの目」がうるさいですね。 お友達の気持ちよくわかりますよ。
発達心理学の分野からの検証では、Single Mother (こちらの呼び方の方がいいですね。 Double ではなくSingle の方が独立していていいです。)であることが子供の成長に悪影響があるという科学的証拠はありません。 身体的、精神的、思考的すべての面で、Single Mother が子供を育てる上で問題になるという科学的証拠はありません。
子供の様々な発達に大きく影響するのは下記の点です。
1. 親との良好な関係。 親が暴力的だったり、子供の言い分を聞かずにただ怒るだけとか、放任し過ぎとかでは、子供のすべての面に否定的な影響があり得ます。 子供には暖かく接し、怒るときには理由を必ず話して頭ごなしに強制しないお母さんであれば大丈夫。 男性上位を絵に描いたような父親の存在は、かえってマイナスになる可能性の方が高いと考えられます。
2. 親が社会や周りから孤立していないこと。 困ったときに頼りになる組織(社会福祉関係、仕事、友達(黄色いぞうさんのような)、親類などが存在すること。
上記のような環境にあるならば、親の数(!)は子供の発達には関係しないと思われています。
3. 経済面がある程度安定していること。 これがSingle Mother 一番の問題ではないかと思われますね。 国が頼りないことが大きな要因になることですが、現在の日本では両親が働いても経済的に安定するのが難しいようですね。
4. 親の精神面が安定していること。 うまくいかない結婚生活を続け、家庭に常に否定的な緊張感がある場合は、子供の発達に大いなるマイナス影響があることが証明されています。 それよりは、Single Mother で独立し、精神的に身軽で安定しているお母さんだけのほうがはるかにいい環境だと思います。
などなど、研究結果はぞろぞろあります。
大丈夫。 愛媛の周りが何を言おうが、Single Mother であることを負い目に思う必要はないと考えて下さい。
お母さんがそう自信を持っていれば、それが子供にも必ず伝わるはずですよ。
補足
【実例】
実際のSingle Mother の例をご紹介しましょう。
私が直接教えている生徒の中にも結構多いです。
ケース1:ご相談にあるように、ちょっと度が過ぎて先生にしかられることもある子供ですが、非常に深いいい考えを持ち、独立心旺盛な生徒です。 頭もよく、自分で考える勉強が大好きで、将来カナダの大学に行くと固く決心しています。 私が非常に期待している生徒です。
ケース2:やる気満々の男の生徒。 スポーツ万能。 合気道のチャンピオンです。 心根がとてつもなくやさしくて、妹はおにいちゃんの大ファン。 お母さんにもやさしい子です。
他にもまだまだ実例はありますが、35年の教育経験の中で、「母子家庭」だけが原因で問題児になったケースには出会ったことがありません。
逆に、父親と母親との関係がうまくいかず、子供が社会的に適合できなくなっているケースには残念ながら数件遭遇しました。
個人的なことですが、私も3人息子をSingle で育てました。 小学校の頃からです。
私自身がそれにより、大きなプラスを得ましたね。 心理面でも、独立して活躍出来るようになった経済面でも。 そのことが子供たちに大きな影響を与えた感じています。
自信を持ち、何にでも張り切って挑戦する親として。
息子たちは非常にやさしくて、独立心満々です。
カナダで半分育ったので、独立的過ぎるかも知れませんけどね(笑)。
応援しています、Single Mother.
Cheers!
評価・お礼
黄色いぞうさんさん
2012/06/03 19:48ありがとうございました。早速お友達に伝えました。彼女は、収入もあるし、精神的にも安定しているように思えます。逆に、それが、ひがまれるのかもしれないですね。生き生き明るい母子家庭・・だから、大丈夫ですね。土地柄か、今でも、母子家庭とか欠損家庭という言い方をよく耳にします。・・・・改めて幸せって人が判断することじゃないのに、おかしいと思いました。道徳的ではない、根拠のある既存の概念を打ち消すような回答ありがとうございました。
回答専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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