対象:独立開業
回答数: 2件
回答数: 1件
回答数: 1件
私、近い将来個人でベーカリー開業を目指している者です。
以下に質問させてください。
1.屋号について
ベーカリー開業の際、店名(屋号)をつけようと考えていますが、この屋号は商標登録や商号登記をした方がよいでしょうか? 私としては近隣に自分の店と同じ名前の店がなければ他県とかにはあってもよいのですが、むしろ同じ店名(屋号)で商標登録している(または今後する)店が日本のどこかにあった場合に、損害賠償請求をされるのが怖いです。しかしどこかのサイトで、個人事業の場合にはほとんどの人が商標も商号も登録していないということも耳にしました。 これが本当なら、極端になりますがいつ損害賠償請求されてもおかしくないリスクを持ちながら営業しているのか?と思ってしまいます。
もし損害賠償請求をされる可能性があるのでしたら、一般的な判例が知りたいです。
2.商品名について
当然パンに名前をつけて販売していくことになりますが、この商品名は商標登録したほうがよいのでしょうか? 頭をひねって考えた名前でも誰かと同じになることは不思議ではないので、上記同様損害賠償請求をされるのか?と考えてしまいます。
「あんぱん」のような一般名なら大丈夫かと思いますが、やはり商品名はしっかり考えたいというのが希望です。
こちらも、もし損害賠償請求をされる可能性があるのでしたら、一般的な判例が知りたいです。
3.パンの見た目の類似について
基本的には上記2と同じ考え方ですが、パンの成形方法やトッピングの仕方はある程度は限られているので、外観がどこかのパン屋と偶然似てしまうこともあると思います。この場合には他店が特許を取っていたら、同様に損害賠償請求されることがあるのでしょうか? もし損害賠償請求をされる可能性があるのでしたら、一般的な判例が知りたいです。
以上になりますが、多分損害賠償請求される可能性をあるかないかで言うと「ある」になると思いますので、一般的な個人営業店(ベーカリーその他)の現状などをご存知であれば教えていただきたいです。
panさん ( 埼玉県 / 男性 / 30歳 )
回答:1件
お答えします
panさん、こんにちは。
1の質問についてお答えします。
先ず商号についてですが、個人事業でも商号を登記できます。登記費用は3万円です。また、商業登記法第二十七条により、同一所在場所に既に登記済みの商号と同一の商号を登記することはできませんが、所在場所が異なれば、同一の商号であっても登記することができます。しかし、商法第十二条に、「不正目的をもって、他の商人であると誤認される恐れのある名称または商号を使用してはならない。」と明記されているように、既存の名称と同一または類似の商号を使用した場合、法的トラブルに巻き込まれる可能性があります。
個人事業で、地域に限定した営業を行う場合は、同一地域に同名・類似の名称の店舗等がなければ問題ない場合が多いですが、他の地域にある同名の有名店が同一地域に支店を開く場合などには、名称の変更を迫られる可能性はあります。
また、個人事業でも、今後、全国的に展開したり、インターネット販売の予定がある場合などは、全国的に同名・類似の名称の店舗等がないことを確認する必要があります。
次に商標についてですが、商標を登録する場合、出願時に3,400円、毎年37,600円の登録料が必要です。また、全国的に同一の商標は登録できないなど、審査は厳しくなりますが、法的効力はより高くなります。
しかし、商標を登録すれば、将来的な法的トラブルを確実に回避できるというわけではありません。既存の有名店が商標登録していなかったため、たまたま類似の商標を登録できたとしても、後から、既存の有名店から、商標権無効の訴訟を起こされる可能性もあります。
個人事業でも、知名度が上がれば上がるほど、法的トラブルに巻き込まれるリスクが高くなるといえます。商標の登録については、今後、事業をどの程度拡大させていきたいかにより、対応が異なってくるでしょう。
2の質問についてお答えします。
パンの名前についても、商標を登録することができますが、店舗の名称と同様、既存の名前と同名・類似の名前を使用しないよう注意を払えば法的トラブルは避けられると考えられます。
補足に続きます。
補足
3の質問についてお答えします。
パンなどの見た目の形態については、意匠権の登録をすることができます。また、製造方法などについては、特許権の登録ができます。特許権の登録にはかなりの費用と年月が掛かりますが、よほど独創的なものを考案した場合には、類似品を防ぐために登録したほうが安全かもしれません。
特許等の検索は、下記URLを参照してください。
http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl
結論を言いますと、必ずしも商標登録などを行わなくても、全国的に同名・類似の名称がないことをよく調査してから店の名称、パンの名前、形などを決めることで、将来的なトラブルを回避することができると考えられます。そして、名称の発案時点や販売開始時点の日付を記録して残しておくことが重要です。たまたま同名の店が後になって有名になり、訴訟を起こされたとしても、故意に真似したという事実が証明されなければ、損害賠償を請求されることはないと考えられます。
最後に、商標等に関する判例を何点かあげましたので、ご参照ください。
勝烈庵
「勝烈庵」が「かつれつ庵」に対して起こした訴訟。「勝烈庵」の勝訴。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/B92007C90FC0FF4D49256A76002F8A02.pdf
虎屋
「虎屋」が「虎屋黒川」に対して起こした訴訟。「虎屋」の勝訴。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/AFCB934401E98CAC49256ACA001C2357.pdf
真葛焼
商標権者が敗訴した例。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/D6DBA3CE157EB9EA49256B680021D314.pdf
ひよこ事件
「ひよこ」が類似品に対して訴訟を起こしたが、逆にひよこの立体商標の無効を訴えられ、敗訴した。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20061130113606.pdf
紅イモ菓子類似品訴訟
「お菓子のポルシェ」が類似品販売業者に差止および賠償請求を行ったが、棄却された。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081017165638.pdf
サトウの切り餅事件
越後製菓が佐藤食品工業に対して起こした特許権関連の訴訟。越後製菓の請求が最終的に認められた。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120403101725.pdf
事業の成功を心よりお祈りしております。
回答専門家

- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
中小企業のITで困ったを解決します!
ITまわりで、中小企業の困ったは様々です。どこに連絡すれば良いのか判らず、色々な窓口に電話をかけても解決できない事が多くあります。そんな「困った」の解決窓口の一本化と、中小企業の健全なIT化を推進しています。
(現在のポイント:1pt)
このQ&Aに類似したQ&A
表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング