対象:会計・経理
初めて質問させていただきます。
私と父の二重代表取締役の会社なのですが、
どうやら父が本来使う会社の口座ではなく
別の口座に入金してもらうように、贔屓の得意先に働きかけているようなのです。
その口座の名義は会社名義なのか、個人名義なのかはまだ確認していませんが
こういう事は違法ではないのでしょうか?
お恥ずかしい事ですが、私と父は仕事の方針を巡って意見が異なっており
その事で対立しています。
そういった事が引き金になってるとは思いますが
違法性がある事なら放置しておくわけにはいきませんし
適切に対処しなければ会社の信用問題になると思っています。
そこでお伺いしたのですが
こういった事は違法性があるのでしょうか?
また、どういった対応をすればよいでしょうか?
父と得意先に厳しい対応と、優しい対応があるようでしたら
是非、教えていただけないでしょうか
よろしくお願い致します。
hanatokikaijiさん ( 大阪府 / 男性 / 44歳 )
回答:1件
ドクトル・ホリコン 堀内智彦
経営コンサルタント
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極めて微妙な問題ですね。
はじめまして
私より法的にも精通した専門家が多数いらっしゃると思いますが、極めてデリケートな状況のようですので、恐らく回答があまりないのでは(笑)ということでおせっかい?とは思いますが私見を述べさせていただきます。
ただ会社法になってから、機関設計など複雑なこともあり文面だけですべてを判断できず仮説条件のうえということでご勘弁ください。さらに文中厳しい用語になることをお許しください。
「口座開設について」
まず、代表権の問題ですが、二重という表現から、共同代表ではなく、お二人がそれぞれ独自に代表権を持っているということですね。
法人が銀行の口座を開くには当然ながら、実印(代表印)と印鑑証明、謄本などが必要ですから。。。ということで独自の判断で銀行口座を開くことは物理的に可能ということだと考えます。
「得意先売掛金の送金先口座変更について」
そして、そこに得意先の売上・売掛金について、支払を依頼するという行為をご心配だと思いますが、これは内部的・外部的にいくつか問題があります。
まず、新規に口座を作ったり、得意先の入金口座を変更依頼するということは、会社の営業事項に関する重要事項ですので、たとえ代表取締役でも、取締役会への報告義務があると思われます。それが正式にないということですね。
ということになれば、会社が知らないところで、一代表取締役が自分の隠し口座に入金させること自体が横領(特別背任)となる可能性となります。
さらに、当然当該売上は、決算申告できないでしょうから、売上計上漏れとして法人税・消費税上問題となります。
また、得意先がお父上の意図を知りながら、当該口座に送金すると悪意(知りながら)ということになり、会社としては当該入金は債務不履行として先方に要求できるでしょう(売り掛金は未入金であると)。
これは蛇足ですが、メインバンクに借入金がある場合に、これらの事実が知られるとかなりイメージが悪く(隠し口座もそうですが、代表取締役間の確執がある?)なるでしょう。
「取締役の監視義務」
hanatokikaijiさんは、取締役(代表取締役)ですので、他の取締役の監視義務があります。以上の経過を知りつつ、是正処置を促さないと任務懈怠ということになるでしょう。
補足
以上の問題点のうち、対外的というのは、得意先、税務署、銀行などです。それ以外の内部的な問題とは、これらの行為により被害を受けるのは株主です。
一般的には株主代表訴訟として問題になりますが、株主が同族だけならば、まさにこれが伝家の宝刀であり、外部的な問題にすることが、厳しい対応であり、hanatokikaijiさんも諸刃の剣で傷つくでしょう。
易しい対応とは、株主としての権利として、上記の伝家宝刀を抜くか?否かを?理詰めで冷静にお父上様と話あうことだと考えます。
とても規定文字数以内ではご説明しきれません。
なんらかのご参考になれば幸いです。
評価・お礼
hanatokikaijiさん
2011/09/05 07:23ドクトル・ホリコン先生、ご回答ありがとうございます。
私の疑問とする所を的確に、かつ解り易く説明していただき感謝いたします。
先生の回答を参考にさせていただき、冷静な対応をしていきたいと思っています。
本当にありがとうございました。
ドクトル・ホリコン 堀内智彦
2011/09/05 09:30長々とまとまりのない文章でしたのにも関わらず高い評価をいただきありがとうございました。
ダメ押しのようで恐縮ですが、補足として、国税も隠し口座というものにはかなり厳しく考えているようで、もちろん売上計上漏れが認定され、その使途は当然会社の正式なキャッシュではないので、使途秘匿金といって40%?の税率がかかり、最悪簿外資産と認定されると重加算税の対象となると聞いたことがあります。となると会社の存亡に関わることになるかもしれません。せっかくいままで築き上げられた大切な会社を守るためにも、冷静にお話いただいて、よい方向に進んでいかれることを祈念しております。今後ともよろしくお願いします。ホリコンこ
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