対象:会計・経理
回答:1件
両面の理由を考慮されてはいかがでしょうか?
新規取引先企業の支払いサイトを短縮する方法についてのご質問ですね。質問の中で、弊社の「支払い条件」とありますが「回収条件」ですよね。
まず、先方が提示してきた支払いサイト120日ですが、原則として売買取引において、両者で取り決める支払サイトに法的な規制はありませんが、一般的な観点からすると長いと考えられます。
(【下請代金支払遅延等防止法第2条の2】では「下請代金の支払期日は..親事業者が下請事業者の給付を受領した日から起算して、60日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。」という下りがあります。今回の取引が該当するか不明ですが、120日は長いと考えていいでしょう。)
それでは、先方がこの条件を提示した理由を貴社ではどの程度把握されていますか。できるだけ正確に把握するよう努めましょう。理由により対応も異なります。
理由の把握は、次の2つに分けて把握することを提案します。
1.新規取引予定先企業側に起因する理由
2.貴社側に起因する理由
上記の各々についてもう少し考えてみます。
1.新規取引予定先の企業側に起因する理由
これについては、次の2つに分けて考えてみます。
A.先方の資金繰りに問題があったり、販売力が小さい場合など
B.先方が貴社からの取引条件に納得しているが、さらに好条件を引き出そうとしてる場合
Aの場合、貴社が与信調査を実施していなければ、まずは与信調査を実施し先方の経営状態等を見極めた上で、取引を行うかどうかから検討しましょう。
Bの場合、支払いサイトのように企業間の取引全般に関わる条件は、個別の商品の価格条件などよりも、一旦、決めてしまうと時間の経過とともにある種慣例化されたようになり、先方に不利になる変更は、
後から中々できない傾向にあります。先方がこのような条件を取引を開始する段階で、できるだけ有利にしておきたい場合等が考えられます。
2.貴社側に起因する理由
この場合、貴社からの取引条件では何らかの不満があり、以下のような理由が考えられます。
A.先方が自社内で原則として定めている取引条件よりも悪い条件がある。
B.貴社と競合する企業の与信や知名度、市場でのシェア、商品の知名度などを考慮し、競合企業の取引条件等と比較すると、現在の取引条件が相対的にみて悪い場合。
補足
「支払いサイト120日」を短縮を、先方に依頼するポイントして以下を提案しておきます。
支払いサイトというのは取引条件の一つです。取引条件全体を視野に入れ考えてみます。
1.120日という支払いサイトというのは、一般的にみても少し長く、貴社では最長60日でやらせていただいていることを説明し、現在の取引条件の変更はしないで支払いサイトの短縮を依頼する。
2.貴社と取引することによるメリット、取り扱い商品の魅力を、先方にアピールし、現在の取引条件を変更しないで支払いサイトの短縮を依頼する。
3.貴社の同業他社が、既に先方と取引しており、その企業と先方の企業の取引条件の中で、貴社が提示している条件よりも有利な条件があれば、まずその条件の見直しを検討する。
4.取引条件全体の中から、価格、納期、販促面での協力など支払いサイト以外の条件を見直し支払いサイトの短縮を依頼する。但し、この場合は後からでも、先方に不利であっても後からでも変更に応じてもらえそうな条件から変更を提示していくことが重要です。一度決めてしまうと、先方の企業に少しでも不利に なる変更は応じてもらえないような条件の変更・提示は、できるだけ後回しにしましょう。
(例:最初の取引に限り、価格面でかなり有利な条件を提示し、サイトの短縮を図るなど)
今回の条件提示が「新規取引予定先の企業側に起因する理由」による場合、1、2でも効果はあるかもしれませが、「貴社側に起因する理由」の場合は3、4の取引条件の見直しを実施する必要があると推測します。
新規取引予定先企業が「支払いサイト120日」を提示してきた理由をできるだけ正確に把握し、それに応じた対応を行いましょう。
pin_okooさんのご活躍を心よりお祈りいたします。
回答専門家

- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
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