対象:心の病気・カウンセリング
躁うつ病の原因は遺伝的な要因が大きいとよく言われますが、兄弟(双子ではありません)にそのような患者がいる場合に、別の兄弟も躁鬱病になる可能性は高い(なりやすい)のでしょうか。統計的な数値や確率などがわかれば教えてください。
親が躁鬱病であっても子どもが発病することは少ないようなのですが、兄弟(双子ではない)はどうなのでしょうか。
きたさん ( 沖縄県 / 女性 / 27歳 )
回答:2件
躁鬱病の遺伝
きたさん
私は特別遺伝に詳しいほうではありませんが、現時点で他に回答される方がいないようなので、調べられる範囲で分かった事をお伝えしておきます。
確かに、一般に躁うつ病の発症率は0.6〜0.9%ですが、親が躁うつ病の場合、子供は2〜25%くらいに発症率が上がります。さらに一卵性双生児の場合両方が発症する率は70〜90%になるようです。
しかし調べられた範囲では兄弟間で特別発症率が高いという統計は見当たりませんので、一般の0.6〜0.9%での確率と同じだと思います。
さらに、躁うつ病に関係する遺伝子は一つではなく、多数の遺伝子がたまたまそろわないと発症しないようですし、その遺伝子は一つ一つではむしろ記憶力が好い方向に働いたり、人当たりが良いということに関係するという研究もあるくらいです。
ですからきたさんも万が一、ご兄弟と同じ遺伝子の幾つかを持っていたとしても、発症のことは気にせずに、自信を持って生活なさっていただいて良いと思います。
回答専門家

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躁うつ病の遺伝について
躁うつ病の遺伝についてご心配があるようで、心よりお見舞い申し上げます。
さて、''躁うつ病(双極性障害)''の''近親者''における''生涯発症危険率''は右記の通りです(画像をクリックして下さい)。なお国内において大規模調査はまだ行われたことがないようです。
Craddock N, Jones I: Genetics of bipolar disorder. J Med Genet 36: 585- 594, 1999
三浦智史, 神庭重信: 双極性障害の臨床疫学. 臨床精神医学 34: 863-870, 2005
''第一度親族''の場合、双極性障害の危険度は''5−10%''です。一般人口では0.5−1.5%ですから、比較的、高率になると言わざるをえません。
しかし逆に考えると、発病しない確率は90−95%でもありますから、さほど高い印象はありません。更に、遺伝的な要素に対して、環境的な調整により予防に努めれば(ストレスの回避、軽減など)、更に発病の危険は下げることができます。
否定的な情報にあまり目を向け過ぎず、''肯定的・楽観的''にお過ごしいただけると幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。
茅野 分(銀座泰明クリニック)
補足
銀座泰明クリニックのリンクは以下へ移転しました。
http://ginzataimei.com
回答専門家

- 茅野 分
- (東京都 / 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
- 銀座泰明クリニック 院長
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