対象:住宅設計・構造
志田 茂
建築家
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家の寿命
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志田茂建築設計事務所 志田です。
家は何年持つのか?
誰しもが思う事です。
100年住宅がその寿命をまっとうするためには、補修・改修をなしには、あり得ません。
また、しっかりした構造体である事が前提です。さらに、地震の被害を少なくするためには、制震・免震といった装置も必要になるのかもしれません。
それだけの性能を持たせるためには、「コスト」が掛ります。建築の性能とコストは切り離す事ができません。
では、ハイコストの建築は長寿命でローコストは寿命が短いのか、といえば、ある意味正解であり、でも必ずしもそうとは言えません。
コンクリート造は、適正に作られているならば、その性能は十分に発揮されるであろうと思います。ただ、コンクリートで包まれてしまうだけに、その後の状況を確認できません。コンクリート打ちする時点で、その性能が決まってしまいます。それは、木造のコンクリート基礎であっても同様で、きちんとした基礎を作りたいと思うと、胃が痛くなる思いをします。地上部分の構造について言えば、ローコストで柱や梁が露出するもののほうが、その状態を常に確認できるので「むしろいい」とも言えます。
(住宅としての質はまた別ですが)
今の住宅は(木造であっても)地震に対してそれなりの強さを持ちます。ただし大地震に対して、損害がほとんどない か、倒壊しないか、という「どうありたいか」の選択は、施主の考えとコストによります。また、「メンテナンスフリー」は「ない」という事を自覚されて、完成してからの「定期的なメンテナンス」についての計画をしっかり考え実行する事が、家が健全でいられるためには必要な事です。
要は、きちんと「設計する事、施工する事、メンテする事」が大切であり、「時間」と「地震」に耐える家は、木造であっても「十分可能」と思っております。
補足
最後の「木造であっても」は、「どの構造・工法であっても」と言えると思います。それぞれの構造・工法を熟知し得意としている人(会社)がおりますので、気に入られた構造・工法でしぼられて、設計事務所や建築会社を探されればよろしいと思います。
評価・お礼
コバキョン さん
ご回答どうもありがとうございます。
心配性な一面もありますので、専門的な説明をいただき心配が少しだけ減りました。
メンテナンスは必要だということですが、
具体的に、どんな構造にして、何年後にどんな検査をするべきであり、改修に○○万円はかかるという、「構造+メンテナンス計画+費用」のパターンをいくつか知りたいと思います。
住宅購入の際には、確認したいと思います。
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この回答の相談
新築戸建て住宅を検討しています。
家への要望は、60年間(死ぬまで)大掛かりな躯体のメンテナンスをしなくても大地震による倒壊の心配が無い家です。(60年間、耐震等級3以上の… [続きを読む]
コバキョンさん (千葉県/31歳/女性)
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