対象:住宅設計・構造
野平 史彦
建築家
-
設計事務所の意味とは?
Xoxoxox様
まず、何故、設計事務所が存在するのか? ということを考えて見ましょう。
設計事務所の仕事とは、まず、次の様な事です。
1) 建築主の依頼に応じて、その敷地条件、要求条件、予算等を吟味し、設計提案を行ない、設計図書を作成する。
2) 工務店を選定し、見積書の内容を査定する。
3) 現場において間違った工事が行なわれていないか工事監理を行なう。
1) が最も主たる仕事ですが、2)、3)の業務には大きな意味があります。
と言うのは、工務店の建築士(あるいは、工務店が頼んだ設計事務所)では、そこから給料(仕事)を貰っている以上、2)、3)の業務を客観的に行なう事ができません。
即ち、設計事務所というのは、建築主から直接以来を受けて仕事をすることに意味があるのです。それは、設計事務所というのは「建て主の代理人」であり、「建て主の利益を守るために存在する」ものだからです。
設計という仕事は、物理的に物を作っている仕事ではないので、「設計料」という報酬を隠す術を持っていません。
人は誰しも「家」というモノにはお金を出しますが、「設計」という見えないモノにはお金を出したくないものです。それを分かっている工務店は、見えないモノはサービスと言って、ハナから客を欺いている訳です。
「建て主の利益を守る」設計事務所がそんなことをする訳にはいきませんよね?
勿論、もっともっと設計事務所に頼む事のメリットを力説したいところですが、それは、また他の方が書いてくれるだろうと思いますので、ここでは最低限、設計事務所というのは「建て主の利益を守る」ための報酬として「設計料」を頂いているのだ、ということだけお応えしておく事にしたいと思います。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
建築士へ依頼すると、設計料として工事代金の10%程度の費用が発生しますが、工務店の一級建築士と設計事務所の一級建築士の違いがよくわかりません。工務店では設計料を表だ沙汰に出さずに工事代金の中に… [続きを読む]
xoxoxoxさん (京都府/33歳/男性)
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A