記憶力・思考力の低下は栄養バランスの乱れ等が原因か
ほんの10分前の出来事を思い出せない、人との会話もすぐに忘れてしまう、勉強した内容も頭に入らないという状態は、記憶の中でも特に短期記憶に関与する神経細胞の機能低下を示唆しています。
その一方で半年前や数年前、子供の頃の記憶はちゃんと残っているでしょうか。これらは長期記憶と言われ、短期記憶とは別の仕組みによって、別の神経細胞に記憶されます。この古い記憶が保存されていれば、短期記憶に限った障害として対策を立てることになります。
先ずは短期記憶が損なわれている原因を考える必要があります。お話の中で示唆に富むのは、半年前に記憶力や思考力が現在より良好な時期があって、その頃は食欲があったという点です。
逆にいうと、現在は半年前よりも食欲が落ちているということでしょうか。もしそうだとしたら、食欲が戻って食事からの栄養摂取が正常に回復すれば、ある程度は記憶力や思考力が現在よりも向上する可能性があることを表しています。
実際問題として、栄養バランスの乱れは記憶力や思考力といった重要な脳機能を低下させ、逆にその是正は脳機能の改善につながることが、内外の研究者、臨床家から報告されています。
具体的には、砂糖や甘味物、添加物の過量摂取は反応性低血糖を引き起こし、また野菜や果物の不足、極端な肉食の忌避は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸不足から神経伝達物質の欠乏を招き、脳機能を著しく低下させます。
食事と並んで大切なのが「体温」です。人間の体温は通常36・5℃ですが、35℃台になると脳機能が低下することが証明されています。例えば毎日お風呂にしっかり入っているか、運動習慣があるかなどがポイントになります。
従って、先ずは食生活を中心としたライフスタイルの点検、改善が肝要かと存じますが、ご自身の生活を見廻してみて何か課題はないでしょうか。これらの改善をした上で、学習方法や学習環境を点検するという流れになるかと考えます。
回答専門家
- 吉野 真人
- ( 東京都 / 医師(精神科) )
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この回答の相談
私は今記憶力の低さに悩んでいます。
例えば10分前の出来事がほぼ思い出せない。
思い出そうとしてもなにか頭の中にもやがかかった
ような感じになります。
判断力の低さも悩みで
人との会話… [続きを読む]
kazu-さん (滋賀県/21歳/男性)
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