対象:住宅設計・構造
野平 史彦
建築家
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パティオについて
パティオ形式の住宅というのは世界の普遍的な住居形式で、古代都市から現在に至まで非常に多く見られる形式です。特に高密度な都市が形成される時には最も無駄なく土地を有効活用でき、防犯上からも各住戸がそれぞれ安全でプライバシーが守られた外部空間を持つことができます。日本では「通り庭」に特徴のある「京の町家」などが、この変形と言えるでしょう。
パティオは外部でありながら<内包>されているので、「光の間」「風の間」として機能し、部屋の延長として、時にはダイニングであったり、物干し場であったり、簡単な作業場であったり、子供の安全な遊び場であったりと、極めて多彩な用途に用いられる魅力的な場となります。
しかし、このパティオ形式の住居は本来、高密度な集住体として隣家と壁を共有する事によってそのメリットを活かしていた訳で、敷地毎に一戸一戸建てられる今の日本の住まいにとっては外気に接する表面積が大きくなるので、熱負荷が大きくなり温熱環境的には不利になります。即ち、四角い外向きの家に比べて光熱費が多少多くかかってしまうことになります。
それでも、高密度な都市部にあってはそのデメリットを越えるメリットを産み出せる形式として採用されているケースが多い様に思われます。
ちなみに、「夏、熱が籠り暑く、冬は日差しが入らない〜」というのは、計画の仕方で何とでもなることですのでご安心を。
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この回答の相談
パティオは開口部が多い分、部屋がさむくなりますか?夏は熱がこもり暑く、冬は日差しが入らない分寒いイメージがあるのですが…。
yuripattyさん (千葉県/34歳/女性)
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