対象:住宅設計・構造
2X4について
宇佐美と申します。2X4工法というのは俗称で正式には「枠組壁工法」といいます。つまり柱・梁ではなく壁パネルで建物を構成するということです。この壁パネルの骨組みに使用する部材の断面寸法が一般的に2インチX4インチであることから2X4と言われているのです。したがって2x6でもOKです。この場合壁が厚くなり基礎もごつくなりますが鉛直荷重(建物の自重や積載荷重)に対しては有利になります。問題は他の先生もおっしゃっているように耐力壁の問題です。必要な壁量を確保しなおかつ配置バランスを適切にしなければなりません。偏った壁配置では必要壁量を満たしていても建物に偏心と引き抜きが起こってしまうからです。
偏心とは建物の重心と剛心が一致していない状態のことを言います。たとえば真四角の建物で四隅に均等に壁が配置してある場合は偏心は起こりませんが実際の建物はそうはいきませんのでどうしても偏心してしまいます。この値(偏心率という)が大きいと地震時に建物が剛心周りにねじれ変形をおこしてしまうのです。但し許容偏心率以内で設計されていれば問題はありません。引き抜きに関しては概ね金物類で対処可能です。
大きな部屋を作る場合確かに壁配置のバランスが偏りがちになるので偏心率・引き抜きが大きくなるリスクは高いといえますがプランニングの時からこのことを念頭においておけば理想に近づけることは可能だと思います。構造計算によって安全性を確認することは言うまでもありません。また枠組壁工法の場合は在来工法には規定されていない制限(特に開口部)があるのですが極端なことをしなければプランニングに支障があるほどのものではありません。
意匠・構造を総合的に考えてくれる先生に設計をご依頼されることをお勧めいたします。理想の空間が出来ると良いですね。以上ご参考まで。
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この回答の相談
現在、新築の1戸建てを検討しているものです。
今気になっているビルダーさんは2X4工法での建築を得意としており、当方はそこでお願いしたいというのが本音です。
ただ、一点気になるのが、2X4工法では耐震性… [続きを読む]
こはこはさん (埼玉県/31歳/男性)
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