対象:遺産相続
内田 清隆
弁護士
-
相続や財産分与をゼロにできるのか
- (
- 4.0
- )
夫婦で築いてきた財産は,離婚する際には,その貢献割合(通常2分の1ずつ)に応じて分けなければなりません。これが財産分与です。これは,夫婦の一方の意思で変更できるものではありませんので,お父様の意思で,離婚する際に財産分与をしないということはできません。
問題は,相続に関してですが,相続人が保護されているのは,遺留分だけですので,遺留分(お母様の場合は本来の相続分の2分の1)までしか,保護されないことになります。
遺留分を除いては,本来の相続人に相続をさせないことに理由は必要とされていませんので,事実に反する要因を並べて,お母様を相続人から外すことは,法律的に可能です。
自宅が名義上は,お父様になっているが,本当は共有であると主張し,遺言に対して,争うことはできるかもしれませんが,恐らく相当難しいと思います。
実際的には,どうしても自宅の権利の半分をお母様が取ろうとするには,離婚を請求して,財産分与を請求するしかないかもしれません。
大変な状況ですが,参考になさってください。
評価・お礼
かおりnn さん
離婚の際は、
夫婦共有の財産を分与することができても、
いざ遺言となると、名義が優先されるのですね。
ある日、夫(父)が亡くなると、
子供(私)がいなければ、
いきなり妻(母)が住む場所を追われる可能性もあるということが、
とてもショックでした。
妻(母)の権利は法律上なんて弱いのだろうと。
しかし、先生の説明はとてもわかりやすく
現実を見れた思いがします。ありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
父、母と同居しています。父が70歳を過ぎた頃から
私が不在のときに母へのあたりが強くなり、
最近は全く事実にないことをさも事実かのように並べ立て、
母へは1円も財産を渡さないと言い出しています。
… [続きを読む]
かおりnnさん (東京都/38歳/女性)
このQ&Aに類似したQ&A